医療コラム『大病院がいいとは限らない!?』

病院にかかるとき,漠然と大病院の方がいいと思いがちです。確かに,大病院の方が,最先端の医療機器など設備が揃っており,症例数が多いので場数を踏んで技術のある医師が多いでしょう。しかし,結論から言うと,病院の大きさと医療ミスの多さは関係ありません。医療法律相談を受けると某大学病院の医療ミスの相談を何度も受けます。大学病院は,教育を目的としているので経験の乏しい医師が手術で失敗するなど医療事故数は比較的多いと言えます。しかし,全ての大学病院で医療ミスが起きているかと言えばそうではなく,一部の大学病院で繰り返し医療ミスが起きています。医療ミスを繰り返す病院の特徴は隠蔽体質にあり,真摯に反省しないため,同じような事故が繰り返し起きます。ミスを起こした医師個人のみならず,病院の管理体制に問題があると考えられます。


もう一つ,大病院に特有な問題として,その分野の第一人者と認められるため症例数を増やして実績を作りたい医師が,患者に「簡単な手術」と説明して危険性の高い手術や新しい治療法を実施し事故を起こしてしまうケースがあります。記憶に新しいのは,群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡下肝切除術で8人が亡くなった事件です。同病院は,事故調査報告書のなかで全てのケースで過失有りと判断したほか,術前,患者に十分なリスク説明がなされず,未だ安全性・有効性が確認されていない保険適用外の高難度手術を実施する場合に必要な院内の倫理審査委員会への申請も行っていなかったと述べています。8例全例で死因解明のための病理解剖が行われず,診療科から病院への死亡事故報告もなされておらず,病院の安全管理に対する認識の甘さが浮き彫りとなりました。 

 

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