過去の医療法律相談『人間ドックにおける胆石の見落としで急性膵炎を発症した事案』

過去の医療法律相談:人間ドックにおける胆石の見落としで急性膵炎を発症した事案

■事案の概要
患者(71歳、男性)は、平成20年5月、右季肋部(みぞおち付近)の痛みを訴えて相手方病院を訪れ、人間ドックで全身のPET/CT、超音波(肝臓)、MRI(頭部)、血液検査等の検査を受けましたが、検査の結果、異常は認められないといわれました。患者は、その後も、右季肋部の痛みが治まらなかった為、同年7月30日、再度相手方病院を受診し、造影レントゲン検査で胆嚢を調べてもらいましたが、担当医は「胆泥があります。胆嚢全摘出術をしてもいいですよ。次回、2〜3か月後に受診して下さい。」と述べ、ウルソデオキシコール酸を処方しました。その後、患者は、翌年3月に相手方病院で人間ドックを受けるまで同病院を受診しませんでした。人間ドックの問診で、患者は、右季肋部痛を訴え、PET/CTによる全身検査、超音波検査(肝臓)、血液検査、心電図検査などが実施されました(結果報告は4月)。患者は、人間ドックの4日後、海外旅行に出かけましたが季肋部に激痛を覚え現地の病院に緊急入院することになり胆石による急性膵炎と診断され、帰国して総合病院で胆嚢摘出術を受けました。


患者は、4月、3月に実施された人間ドックの検査結果を聞くため相手方病院を訪れましたが、胆嚢摘出術を受けたことを告げずにいたところ、内科医から「総胆管に多少拡張があるが、結石や胆泥はない。」といわれました。患者は、胆石の見落としを理由に相手方病院に対し損害賠償請求し、本人で示談交渉を進めた結果、200万円の解決金の提示を受けました。

■相談事項

医学的問題点、訴訟をすべきかどうか、賠償金額の妥当性

 

■相談結果

患者は、平成20年7月、平成21年3月の人間ドックで右季肋部に疼痛や違和感を訴えており、7月の検査で既に胆石を疑う所見があったのであるから、3月の検査では胆管・胆嚢を精査すべきであり、胆石が見落とされていたことから相手方病院に過失は認められるが、結果として完治しており、医療過誤訴訟では費用倒れになるため示談すべきこと、提示額自体は妥当で、患者からは250〜260万円程度を提示し示談でまとめるようアドバイスしました。患者は、顧問弁護士が付いている方で、示談交渉を有利に進めるため医学的な問題点の具体的な指摘を受けたかったことと医療訴訟の可否等について情報を得るため相談にみえました。

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