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裁判官は医師でない方が良い!?

私が弁護士になったばかりの頃,若気の至りで医学の専門知識のない裁判官には医療行為の過失は判断できない,医療事件は医師資格を持つ裁判官が担当すべきだと思っていました。しかし,患者側弁護士として経験を重ね,東京地方裁判所の民事調停委員や弁護士会の医療ADRのあっせん・仲裁人の立場で医療事件にかかわるようになってから,裁判官は医師資格を持たない方が患者にとっても病院にとっても妥当な結論に導かれると真逆の考えに変わりました。医師が裁判官になると専門家として医療事件に強い影響力を持つ可能性が高いですが,もし過失があっても病院を擁護する考え方を持っていると裁判がゆがめられ医療ミスの被害患者や遺族が補償を受けられなくなってしまいます。実際,裁判で鑑定意見を述べる医師の中には事実を評価せず何が何でも病院を擁護する方がおられます。逆に,医師資格を持ちながら医療ミスがないのに病院を訴える弁護士もいるそうです。医療ミスがあるのに患者が何の補償も受けられないのは誤っています。他方,医療ミスがないのに病院が負けるのも間違っています。不当な判決が確定してしまうと,先例として後の同種事案の裁判に悪い影響を与えてしまうことに注意が必要です。          

公正な裁判を実現するという観点からは,医師資格を持たない裁判官が,医師の意見を参考にしながら判断をする現在の裁判が妥当だと思います。              

裁判で負けるのは弁護士の責任!?

医療従事者の多くは,医療裁判の結論だけ聞いて,素人の裁判官が患者寄りの判決を出して不当だと批判しますが,判決の内容を正しく理解できていないことが多いです。結論だけではなく,当事者双方の主張内容及び裁判所の判断理由を丁寧に読み解くと,殆どは妥当な結論が導かれています。          

もちろん,医療従事者から見れば過失がないのが明らかなのに病院が負けたり,逆に過失が明らかなのに患者が負けるケースもあります。そういうとき,負けた方は,「悪いのは裁判官だ」と批判します。しかし,悪いのは裁判官ではありません。民事裁判では,証明責任を負う側が証明できなければ負ける仕組みです。医療裁判では,患者側(原告)が,医師の過失及び死亡や後遺障害など発生した損害と過失との因果関係の両方を証明する責任を負っています。刑事裁判では無罪の人を有罪にしないよう真相解明が重要ですが,民事裁判は,対等な私人間の争いであり真相を解明する場ではありません。医療法律相談で,患者家族が「裁判官は分かってくれる」と仰ることがありますが,それは幻想です。裁判官は真相を解明しようとは考えていません。裁判官は,原告被告双方の主張を聞いて証明責任を負っている側が証明できているかを判断するだけです。患者が過失と因果関係を証明できなければ患者は負けますし,証明できていれば今度は病院側が反論しないと病院が負けます。こうした民事裁判の仕組みが分かれば,裁判に負けたのは裁判官が悪いのではなく,証明できなかった弁護士に問題があることが分かります。           

過失が明らかなのに患者側が負ける,逆に過失や因果関係を証明するのが困難なのに病院が負けるケースは,各々患者弁護士,病院弁護士の弁護ミスと言って過言ではありません。

弁護ミスが起きるのは,素人の弁護士に医療事件を任せてしまうからですが,その原因は,多くの方が,弁護士だったら誰でも一緒だと思っているからだと思います。しかし,「内科でも外科でも医師なら一緒」とはいえないように,弁護士にも得意不得意があります。医学的知識のない弁護士に医療裁判を任せると弁護ミスにあう危険があるため注意が必要です。

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