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危ない医師(1)患者と目を合わせない医師

病院の待合室で何時間も待たされたあげく,ようやく順番が回ってきたと思ったらろくに話も聞いて貰えず3分で終わった,などという話はけして珍しくありませんが,なかには診察中ずっとパーソナルコンピュータに入力し続け,一度も患者と目を合わせず体を触らない医師もいます。患者と目を合わせず患者の話を遮り,聴診も触診もしないで患者の状態が分かるはずがありません。医師にも,患者が多いので数をこなしたいとか,患者の話を聞くのがおっくうだとか,患者を触りたくないなどの理由があるのかもしれませんが,患者に触れずコミュニケーションも取れない医師では,患者の医師に対する不信感は増すばかりで,遅かれ早かれトラブルになるのは目に見えています。逆に,もし,医師が患者の目を見て話し,患者の話を聞き,患者に触れてくれる場合は良い医師の可能性が高いです。

危ない医師(2)コミュニケーションをとらない医師

医療法律相談のうち,本当の医療事故は1割未満です。9割以上の相談が医師のコミュニケーション不足が原因で患者家族が不信感を積もらせ医療事故だと思い込んでいるケースです。患者家族が医師とコミュニケーションが取れており信頼関係が築けている場合は,たとえ医療事故が起きても,患者家族は「先生は良くやってくれた」と感謝して紛争にならない一方,治療が適切でもコミュニケーションがとれていないと医師への不信感から医療事故ではないのに患者家族が医療事故だと思い込んでトラブルになる場合があります。 

入院患者の場合は,看護師がナースコールをしても来てくれなかったり,来ても自分は担当ではないからと適切な対応をしなかったり,言動が失礼であったりすると看護師の態度が悪かったという理由から後に医療紛争になることもあります。

医師・看護師その他の医療従事者が,患者家族と良好なコミュニケーションをとれるようになれば医療トラブルは9割近く減らせると思います。

■危ない医師(3)セカンドオピニオンを受けさせない医師

患者が納得のゆく治療方法を選択するため病状や治療方針について,現に診療を受けている主治医とは別の医療施設の医師に第2の意見を求めることをセカンドオピニオンといいます。患者が,セカンドオピニオンを希望すると主治医は診療情報提供書(患者紹介状),検査データや画像データなどを用意してくれるので患者はこれらを持って他の医師を受診し医師の意見を聞きます。セカンドオピニオンは,紹介元の病院の資料に基づいて他の医師が意見を述べることなので,別の医療施設で最初から検査や診療を受け直すときは通常の診療であって,セカンドオピニオンとはいいませんので気を付けて下さい。世の中にセカンドオピニオンという言葉が定着してきて,患者が複数の病院にかかって病状や治療方針を確認するようになってきましたが,患者が現在の主治医に,他の医師の意見を聴きたいと言って検査結果のコピーや診療情報提供書の作成を依頼してもセカンドオピニオンを受けさせない医師もいます。もちろん緊急の処置が必要で,セカンドオピニオンを受ける時間的余裕のない病状のときはセカンドオピニオンを受けられなくても仕方ありません。しかし,緊急性がないのに医師が,セカンドオピニオンを受けても結果は同じだと言って患者の訴えに耳を貸さなかったり,不機嫌になって無視することもあるそうです。医師が,患者の希望するセカンドオピニオンを拒否しても罰則などはありませんが,だからといって患者の要望を無視する医師では,信頼関係は築けず将来トラブルが起きるのは目に見えています。患者が納得のいく治療法を選択することができるよう,積極的に協力する医師は良い医師といえましょう。

■危ない医師(4)入院するまで手術の説明をしない医師

患者が入院するまで手術方法,リスクなど具体的な治療方針や治療内容を説明しない医師がいます。一種の囲い込みのようなもので,患者は,セカンドオピニオンを受けたいと思っていても入院してから詳しく説明するといわれ一旦入院してしまうと,外出ないし外泊許可をもらってまで他所の病院の医師の意見を求めるのは現実には難しく,結局セカンドオピニオンを受けるのを諦めてしまいます。しかし,医療事故が起きると患者や遺族が他所の病院にかかっていれば良かったと大変後悔することが多いので,後悔しないためには遠慮することなく入院前に手術の説明をするように求めるとともに他所の病院のセカンドオピニオンを受けたいと明確に医師に伝え,複数の医師の意見を聴いた上で,手術を受けたい医師から納得のいく治療方法を受けるべきです。 

危ない医師(5)手術の危険性を説明しない医師

医師は患者が治療方法などを選択するのに必要な説明をする義務があります。医師の中には,説明義務を単に手術同意書に患者の署名押捺を貰うためのもの程度の認識しかない場合が多いですが,説明義務は患者が治療内容や治療を受けるか受けないか,受けるとしていつ受けるか等の自己決定をするのに必要な情報を提供するのが目的です。従って,医師に求められる説明の程度は,患者の理解力によりケースバイケースだということに注意が必要です。患者は医師に対し治療について自己決定するのに必要な情報提供を要求できるわけですから,遠慮せず理解できるまで説明を求めて良いのです。 手術の場合は,実施予定の手術の内容(執刀者,助手の氏名を含む),手術の危険性,手術を実施しない場合の危険性,合併症の有無,他に選択可能な治療方法がある場合は,その内容と各々の手術方法のメリット・デメリットなどについて説明すべきとされています(厚生労働省・診療情報の提供等に関する指針の策定について,2003年)。           

ところが実際は,医師が手術をしなかった場合の危険性や手術のメリットばかり強調し,手術自体の危険性について十分説明せず,患者が緊急の必要性がないのに簡単な手術だと誤解して受けたところ植物状態になったり死亡したりするケースがあります。患者にリスク説明をすると手術を受けなくなるのではと心配する医師もいるでしょうが,事前にリスクに関する説明が十分なされていれば,リスクが現実化しても患者家族は予想しているので理解が得られやすい反面,リスク説明が足りず患者家族にとって予想外の結果になったときはトラブルになりやすいです。ですから,医師が,説明文書を渡しただけで説明しなかったときや手術自体のリスクや手術に伴う合併症の危険性を丁寧に説明しないときは要注意です。このような医師に当たったら患者からリスクの説明を求めた方が良いですが,患者自身に全く知識がないと何を聞けばよいか分からず,説明されても分からないのでは仕方がありませんから,自分の病気や治療方法,手術のリスクなど事前に調べてから医師に説明を求め,手術を受けるか否か,受けるとしていつ受けるか,どの方法にするか決定すべきです。患者が高齢で自分で調べられないときは患者の家族が調べて患者と一緒に医師の説明を聞くとよいでしょう。 

危ない医師(6)手術日前に患者に会わない執刀医

医療法律相談で,患者家族から手術ミスではないかという相談を受けることがありますが,それらに共通するのは手術日前に執刀医が患者に会っていない点です。執刀医の名前だけは知らされたが手術前に一度も会わなかったケースや,誰が執刀医か知らないまま手術を受け,術後も執刀医から説明がなく,医療事故にあった後,家族が患者の診療録を調べて初めて執刀医を知ったというケースもあります。ケース(1)の左右腎取り違え事件では,執刀医は手術前日病室に行くと言って結局手術前に患者に会いませんでした。忙しかったのかも知れませんが,もし手術前に患者に会って話をし診察していれば,マーキング忘れに気づくなりして左右を取り違えることがなかったかもしれません。

危ない医師(7)状態が悪いのに「大丈夫ですよ」を連発する医師

危篤状態で回復の見込みがないのに,医師が,家族に心配させないために「大丈夫ですよ」などと言ってしまうことがあります。家族はそのまま真に受けて回復すると信じてしまいますので,その後患者が死亡すると家族にとっては予想外の展開となるので医療ミスを疑われることになります。

厳しい見立てをすれば,助かれば名医といわれ,助からなくても家族に心構えができているので問題になりませんが,本当は助からないのに甘い見立てをして家族に期待を持たせると,かえって医療ミスではないかと疑われトラブルのもとになります。端から見ても危ない状態なのに「大丈夫ですよ」を連発する医師は要注意です。医師は,現在の症状,診断病名の他,予後・処置及び治療の方針についても説明する義務がありますので,患者が大丈夫そうに見えなければ家族は詳しい説明を求めた方が良いです。

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