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看護師のうっかりミスで寝たきり状態に!

新聞に報道された看護師のうっかりミスを紹介します。患者は74歳女性,地方の病院でうっ血性心不全及び弁膜症と診断され,治療目的で都内の大学病院心臓血管外科に入院しました。患者は,強心剤を持続投与する必要があり点滴注射がされていました。来室した看護師が,強心剤の残量が少なくなっているのに気が付き,点滴の交換をしようと点滴装置の残量不足を知らせるアラームのスイッチを切ってアラームを鳴らなくしたのですが,他の用事で点滴を交換するのを忘れてしまい強心剤の投与が数十分間中断してしまい患者は,低血圧によるショック状態に陥り心臓の機能が更に低下し寝たきりとなってしまいました。 

■病院の対応−新聞の読み方

新聞には,患者家族は,「病院は点滴の電源を切ったことは認めており,過失は明らかだ」として損害賠償請求訴訟を起こす方針で,業務上過失傷害容疑での刑事告発も検討中(日経新聞平成28年6月10日),と書かれていました。このことから事故後,病院側が患者に対する損害賠償を拒否していることが分かります。病院側が,患者さんに損害賠償をするつもりがあれば示談交渉を進めるので訴訟(裁判)を起こすという話になりません。訴訟を起こす方針と言うことから病院側が示談交渉に応じず患者家族に裁判をやるならやってみろといった対応をしていることが窺えます。更に,刑事告発も検討中ということは,病院ないし病院が頼んでいる弁護士の患者家族に対する対応がよほど酷いことが推測されます。病院側,医師・看護師らが患者家族に謝罪し真摯に対応していれば,通常医師や看護師を刑事告発するということにならないからです。

ですから,新聞に明らかな医療ミスなのに患者家族が損害賠償請求訴訟を起こす方針と書いてあったら病院側が医療ミスを争っていることが分かり,刑事告発と書いてあれば相手方病院は医療ミスを起こしても患者家族に補償せずかなり酷い対応をしていることが分かります。もっとも,患者側弁護士に問題があって裁判になることはあります。

■本件のポイント!

この事件で,病院は,看護師が点滴の電源を切ったことは認めています。病院に過失があるのは明らかなのになぜ患者家族は損害賠償請求訴訟を起こさなければならないと思いますか? 

このようなケースで病院は,過失は認めるけれど発生した損害と過失との間に因果関係がない,つまり患者さんが寝たきりになったのは点滴の中断が原因ではないから損害賠償責任を負わないと説明しているものと考えられます。

医療裁判では,患者側が病院側の過失の具体的内容及び発生した損害と過失との因果関係の両方を立証しなければならず,立証責任を負っている方が立証できなければ負ける仕組みになっています。逆に言えば,損害賠償請求可能な法的意味での過失とは,発生した損害(死亡や後遺障害等)との間に因果関係のある過失のうちで立証可能なものと言えます。ですからたとえ病院が医療事故を起こしても寝たきりになった原因と全く無関係なら補償は受けられない可能性があります。

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