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医療事故調査制度とは?

医療事故の原因究明・再発防止を目的として平成26年6月に法制化された医療事故調査制度が今年10月1日から始まります。

医療事故調査制度は,診察,検査や治療に関連して患者が予期せずに死亡する医療事故が起きた場合,医療機関が第三者機関(医療事故調査・支援センター)へ事故を届け出て院内調査を行い,その結果を遺族に説明後第三者機関へ報告し,第三者機関が収集された医療事故情報を分析することにより事故の再発防止に繋げようというものです。

院内調査結果は,医療機関から任意の方法で遺族へ説明されます。又,医療機関が医療事故として第三者機関に届け出た事案については,遺族から第三者機関へ調査を依頼することができ,第三者機関は調査結果を医療機関及び遺族へ報告することになっています。

「医療事故」に当たるか否かは医療機関が判断することになっており,遺族が「医療事故」として第三者機関に報告することはできない仕組みです。

■医療事故調査制度の問題点

医療機関が第三者機関へ報告すべき医療事故は「予期しなかった」死亡事故ですから,医療機関が事前に患者や患者家族に死亡のリスクを説明していた場合や重い後遺障害が残った場合は調査の対象外です。従って,医療機関が患者に対し常に死亡リスクを説明するようにすれば第三者機関に報告されるケースは殆どなくなってしまいます。

又,院内調査結果の遺族への説明は「口頭または書面もしくはその双方で,遺族が希望する方法による説明に努める」と,義務ではなく努力目標とされたので,遺族が調査報告書の交付を求めても医療機関は拒むことが可能です。

更に,遺族が第三者機関に調査依頼をできるのは,医療機関が第三者機関へ医療事故として届け出た事案だけですから,遺族が医療事故の調査を望んでも,医療機関が第三者機関へ届け出るべき医療事故に当たらないと判断すれば,遺族は第三者機関へ事故調査を依頼できません。

医療事故調査制度は医療事故の被害者のための制度ではない!?

医療事故調査制度は,医療事故の被害者のための制度ではありません。医療機関や医師・看護師などの責任追及は目的としていません。

「医療事故調査制度」という名前から,殆どの方が,医療事故が起きたとき患者や遺族のために医療事故調査を実施してくれる制度だと捉えるのではないでしょうか?。私も当初そのようなイメージを持っていました。

しかし,実際は,厚生労働省が全国でどのような医療事故が起きているのかという情報を集めて分析し事故の再発防止策を立てる等の医療行政に役立てる公的仕組みであって,個々の患者遺族の救済を目的とする制度ではないのです。

制度が作られる過程では,院内調査の結果報告書を遺族に交付しようという意見もありました。遺族は,医学の素人ですから口頭で説明されても分かりません。死亡の経緯・原因を明らかにし真相解明をするためには書面による説明が必要ですが,医療側の一部が,「裁判などの紛争に利用されて医師個人の責任追及につながりかねない」,と反対したため院内調査結果の書面による交付は努力目標とされ遺族への説明方法は医療機関の判断に委ねられることなりました。

医療ミスではないという調査結果であれば遺族に交付することになんの問題もないはずですし,逆に医療ミスで患者を死亡させたのであれば損害賠償すべきは当然ですから遺族に責任追及させないため報告書を交付しないという考え方は疑問です。反対意見から,あわよくば医療ミスをなかったことにして補償もなさずすませてしまおうとする隠蔽体質が伺われますが,注意しても事故は起きるものですから,事故が起きた後事故の再発防止のために事故から学ぶ姿勢がなければ安心して医療を受けられる社会は実現しないのではないでしょうか。

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