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■危険すぎる!?美容整形をめぐるトラブル

美容整形トラブルが相次いでいます。美容整形が通常の医療と異なるのは疾患の治療ではなく二重まぶた,皺取りや豊胸など美容が目的であって,緊急性も医学的必要性も通常ないという点です。そして,美しく見せるのが目的ですから,医師は最善を尽くすだけでは足りず患者の希望に沿う結果が求められます。つまり医師は,腕だけではなく美的センスも要求されますが美的感覚は人それぞれですから医師が成功したと考えても患者から失敗だといわれるケースもあります。


美容医療で通常多いトラブルは,契約トラブルと美容整形手術の結果,外貌に醜状を生じる場合です。


契約上のトラブルでは,ホームページは低料金なのに高額な費用を請求されたり,「セットでお得」などと予定外の手術を勧められ高額になったり,契約後施術を受けるのをやめようとしたら高額の解約料を請求されたり,施術の効果がないのに途中解約できず高額のローンを払い続けなければならない等があります。


美容整形の失敗例を挙げると,レーザー脱毛で火傷し瘢痕・色素沈着が残ったケース,シリコンバッグを入れる豊胸手術で目立つ場所に傷跡が残ったケース,脂肪吸引で凸凹になったケース,リフトアップで神経を損傷され顔面神経麻痺が残ったケース,ニキビ除去目的でケミカルピーリングを受けたところ,顔に鶏卵大の肥厚性瘢痕が残ったケース,エラ削りの手術で下顎骨に線状骨折を生じ,プレート固定したが陥没変形,顔面神経麻痺,発語障害,口唇麻痺の後遺症が残ったケース,二重まぶたの手術で左右非対称等様々です。


このような被害に遭わないためどのような点に注意すべきでしょうか。良くある相談は,本人が何も調べないまま雑誌の広告やホームページを見て軽い気持ちでカウンセリングのつもりでクリニックに行ったところ即日契約させられ,十分な説明のないまま当日施術を受け失敗するケースです。


以下に,多くの相談が寄せられた危ない美容外科の共通点を挙げます。


(1)即日契約,即日施術を勧めるクリニックは危ない。
(2)リスク説明のない病院は要注意。
 ①メリットだけアピール
 ②化膿・縫合不全など合併症や副作用の説明がない
 ③効果に個人差があることの説明がない
 ④効果の持続期間,5年〜10年後どうなるか,再手術の必要性や再手術したときの
  リスクなどの説明がない
 ⑤術後どのくらいで普通の生活に戻れるか説明がない
 *痛み・腫れ・内出血等があって普段の生活に戻るまで時間がかかる場合があるので気を付けて下さい。
(3)看護師や事務員から手術説明書を渡され,医師の説明がない。
(4)説明した医師と執刀医が異なる。
 *執刀医は,患者の希望を聞いていないので希望に添わない結果になる可能性が
  高いです。
(5)突然,手術方法の変更を言い出し,手術方法やリスクの説明がない。
(6)解約・返金のルールについて説明がない。


それでは,実際のところトラブルを回避するために患者さんはどうしたら良いでしょうか。美容整形は,殆どが自由診療なので高額となりがちな上,施術費用や方法は医療機関によって様々です。合併症や手術ミスなどのリスクがあり修正手術で完全に修復するのは難しいため一生後遺症に悩まされる場合もあります。思いつきや軽い気持ちで医療施設を訪れるのは危険です。まず,事前に施術の種類,料金,リスクの他,失敗例についてもよく調べ,施術を受けるか否かを検討して下さい。そして施術を受けると決めても,一旦契約してしまうと解約・返金は難しいので,契約前に施術の内容・施術にかかる総額(その費用によって受けることができる施術の回数や範囲),解約条件,施術の効果・合併症やリスク,効果が得られなかった場合の補償の有無などについて説明を求め,十分な説明が受けられない等,納得できなければその場で契約せず,他の施設でセカンドオピニオン,サードオピニオンを受けることをお勧めします。


ここで,医師の説明について少し補足します。医師は患者に対し説明義務を負っています。美容整形の場合には,緊急性も治療の必要性もありませんから出来る限り詳しく説明する必要があり,施術の内容,効果,手術の難易度,成功の可能性の程度,危険性・副作用の有無・内容・可能性の程度などを具体的に説明する義務があるとされます(東京地判平成9年11月11日判例タイムズ986号271頁)。


最終的には自己責任ということになりますが,後遺障害で苦しむのは一生ですから安易に契約してはいけません。施術方法・費用・合併症等のリスクの他,失敗例について予め調べ,セカンドオピニオン・サードオピニオンを受け,施術を受けるか,受けるとしてどの方法にするか,どの病院にするかを決めましょう。

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