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循環器内科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

大動脈弁狭窄症が悪化していたが病状について誤解していた患者について,そのことを認識し得べき医師に患者の誤解を解いた上で入院等を勧試する義務を怠った過失が認められたケース

 

東京地方裁判所 平成16年(ワ)第4384号 損害賠償請求事件
平成18年10月18日判決 控訴,和解
【説明・問診義務,治療方法・時期】

<事案の概要>

 患者(昭和28年生,男性)は,8歳の時に大動脈弁狭窄症と診断され,15歳の時,大学病院の心臓外科に入院して大動脈弁狭窄症であると確定診断されたが,手術は行われなかった。その後,医師は,手術治療を考慮すると判断した。
患者の妻は,患者に心臓の持病があることを知っており,平成12年6月,患者を説得して甲医院を受診させた。甲医院の医師は,心房中隔欠損(ASD)やうっ血性心不全の併発等を疑ったが,下肢浮腫が著明で胆嚢腫瘍の疑いがあると判断し,患者を被告病院第二外科医師を紹介した。
 患者は,同年6月16日,被告病院第二外科を受診し,検査の結果,うっ血性心不全で著明な心肥大がみられた。第二外科医師は,同月30日,被告病院内科医師に診察依頼を出し,患者に対して同病院内科を受診するよう指示した。同年7月1日,被告病院の内科医師は,検査や問診等を行い,大動脈弁閉鎖不全状態(AR)で,安静にしてしないと突然死に至ることもあると考え,患者に対して,即日入院して精査する必要があると説明したが,患者は,仕事を理由にこれを拒否した。
 同月3日,内科医師が,患者の勤務先に対して電話をかけ,同月6日の心エコー検査の後,甲医院から処方されている薬を持って内科を外来受診するよう述べた。同月6日,内科医師は,診察結果に基づき,患者に対して入院精査を勧めたが,患者は拒否した。同月22日,内科医師は,患者に薬剤について指導した上,胸部レントゲン検査を行った。 同月29日,甲医院からの診療情報提供書により,内科医師は,患者が服用中の薬剤を知った。8月26日,内科医師は,経過を見ることとし,次回は9月30日に来院予定とした。同月28日,甲医院の医師は,セカンドオピニオンを得たいとの患者の希望を受けて,乙病院循環器科の医師に対する診療情報提供書を作成して交付した。同月30日,患者を診察した乙病院循環器科の医師は,患者の自宅に近い被告病院で治療を縦続するのが最適であると考え,その旨を伝えた。同年9月2日午前10時ころ,患者は,甲医院を受診したが,同日18時15分ころ,自宅で倒れているのを妻により発見され,被告病院に搬入され,救命措置が行われたが,患者は,19時16分,死亡が確認された。
 患者の遺族である妻が,被告病院を設置する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計1億939万538円

結  論

一部認容(認容額5983万1140円)

争  点

①平成12年6月16日ないしその後の時期に患者に対して心不全の治療を開始しなかった過失の有無
②遅くとも平成12年8月5日までに患者又はその妻に対して,患者の入院を説得しなかった過失の有無
③過失行為との因果関係の有無
④不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効の成否(時効中断の有無)
⑤損害額

認容額の内訳

①逸失利益

3243万1140円

②慰謝料

2200万円

③弁護士費用

540万円

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