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■化膿性髄膜炎とは

髄膜,特に軟膜の炎症。手術後や抵抗力の弱い新生児や乳幼児に好発する。手術後に発生する髄膜炎は比較的予後が良いが,中枢神経が未熟な新生児や乳幼児の場合予後不良とされる。手術後に発生するものは,術中の術野の汚染や創部からの髄液漏れに起因する感染が多いが,感染機序が不明なものも多い。別の部位に感染巣があって血行性に細菌が侵入したり,副鼻腔など中枢神経近傍に炎症があって,直接細菌が侵入する場合もある。

 

発症は,急性で,激しい頭痛,悪寒,持続する高熱,嘔吐を生じる。せん妄などの意識障害,外転神経麻痺,けいれん発作が出現する場合がある。項部硬直,ケルニッヒ徴候などの髄膜刺激症状が見られる。

 

【註】ケルニッヒ徴候(Kernig sign):髄膜刺激症候の一つ。患者を仰臥位にさせ一側股関節を直角に曲げた状態で膝を押さえながら下肢を被動的に伸展していくと,抵抗を感じ下肢が十分伸展しない現象。ケルニッヒはロシアの内科医で,発見者の名前が付けられた。

■髄膜炎の診断

①血液所見
核左方移動を伴う白血球増多,血沈亢進,CRP上昇

②髄液所見

脳脊髄液の圧上昇,細胞数(特に好中球)の増加,蛋白増加,糖減少が見られる。髄液細胞数が3,000/mm3を超えると髄液が混濁して見える。結核菌や真菌による髄膜炎では,30〜500/mm3とより低値で,リンパ球,単球が主体となることが多い。髄液から細菌が同定されれば確定診断となるので,抗生物質投与前に髄液検査を行うべきとされる。高度の頭蓋内圧亢進があるときは脳ヘルニアの危険があり,腰椎穿刺は禁忌となる。

③画像診断

CT,MRIでは髄膜炎は診断できないが,それに合併する脳浮腫や水頭症を診断可能。造影剤投与で髄膜の線状の増強効果が認められる。

■脳塞栓症の診断

塞栓源となる心疾患を有する場合,心原性脳塞栓症と診断する。塞栓源となる心疾患がなく,大動脈や頸動脈に高度狭窄,潰瘍形成,不安定プラークを認める場合,動脈原性脳塞栓症と診断する。

■髄膜炎の治療

起炎菌判明前は,第1〜3世代セフェム系抗生物質の静脈投与,起炎菌判明後,感受性のある抗生物質に切り替える。発熱などの炎症所見,髄液細胞数を指標に治療効果を判断する。治療効果が見られないか,髄液細胞数が10,000/mm3を超えている場合,抗生物質の髄液内投与を検討する。髄液移行性の低いアミノグリコシド系抗生物質が広く用いられる。けいれん誘発性の高いペニシリン系抗生剤は使用すべきではないとされる。ガンマグロブリン製剤が免疫力の改善のため使用されることがある。頭蓋内圧亢進や脳浮腫に対し,高浸透圧利尿薬が用いられる。

■髄膜炎の予後

死亡率は10〜25%。新生児,小児ではさらに高い。成人では,起炎菌による死亡率の差はない。小児では,精神知能障害,脳性麻痺,てんかんなどの重篤な後遺障害を残す場合がある。

■その他の髄膜炎

結核性髄膜炎,真菌性髄膜炎,無菌性髄膜炎がある。無菌性髄膜炎は,殆どはウイルス性であるが,髄腔内に注入した薬剤や造影剤で発症するものもある。

参考文献:標準脳神経外科学 医学書院

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