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美容整形における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

豊胸手術の際,切開位置を誤った過失が認められたケース

 

東京地方裁判所 平成14年(ワ)第22617号 損害賠償請求事件
平成15年7月30日判決
【手技】

<事案の概要>

患者(昭和40年生,女性)は,被告クリニック(個人病院)の豊胸手術の広告記事を見て豊胸手術を受けることとし,平成13年10月,被告の経営するクリニックを受診した。患者は,担当医師の診察を受け,同医師に対し,広告記事のとおり脇の下の目立たない位置からシリコンパックを入れるよう依頼した。担当医師は,患者に対し,カルテに上半身の図を書いて脇の下に切開線を書き込むなどして手術方法を説明したが,その図は大まかに切開する部位を示したものにすぎず,実際に切開する線を正確に図示したものではなかった。

それから10日後,患者は,手術の結果は各人各様であり医師の指示を受けるべきこと,3〜6か月後くらいに再手術を行うこともあり,経過観察は重要であるから,医師の指示する日に必ず通院すべきことなどの注意事項が書かれた手術申込書に署名押印した上,担当医師の執刀で,両胸に脇の下から各300mlのシリコンパッグを挿入する豊胸手術を受けた。

手術から約半年後,患者は,切開部分のテープが剥がれたために傷痕を見たところ,傷痕が左右で異なっており,左側は正面から傷痕が見えることに気付き,被告クリニックに電話をし,抗議の上,担当医師に傷痕を見てもらいたいと述べた。しかし,被告クリニックでは,看護師が患者の傷痕を撮影したものの,担当医師自身が患者の傷痕を見ることはなく,患者に対し,被告クリニツクの顧問弁護士と交渉するように伝えたのみであった。

患者は,同年11月下旬,大学病院の形成外科を受診し,瘢痕修正手術を行うこととし,平成14年1月上旬に瘢痕修正手術を受けた。豊胸手術後,右側は脇の下が切開されており,腕を下ろすと傷痕が腕の下にほぼ隠れるのに対し,左側は,数cm程度脇の下から乳房寄りの場所が切開されたため,腕を下ろしても切開部分隠れず,外部から視認ができる状態で,瘢痕修正手術後も状態は大きく変わらなかった。

患者が,被告クリニックを経営する担当医師に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

899万1521円

結  論

一部認容(認容額297万4110円)

争  点

担当医師に,豊胸手術を行う際,切開位置を誤って目立ちやすい位置に傷痕を残した過失があるか否か。

認容額の内訳

①被告クリニックへ支払った手術費等

107万1000円

②瘢痕修正手術費等

10万3110円

③慰謝料

150万0000円

④弁護士費用

30万0000円

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