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歯科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。
歯の根管治療において,歯科医師が誤って近心根管側壁と髄床底に対し穿孔を生じさせた疑いが強いものの,損害は発生していないとされたケース
東京地方裁判所 平成14年(ワ)第21196号 損害賠償請求事件
平成17年2月25日判決 確定
【手技,因果関係】
<事案の概要>
患者(昭和34年生,女性)は,かかりつけの歯科医院で,右下6番ないし右下8番にブリッジを装着する治療を受けた。その後,患者は,右下の歯に痛みを感じたため,平成8年5月1日から平成13年8月20日まで被告歯科医師が開設する歯科医院に通院し,歯列の治療を受けた。被告歯科医師は,平成11年2月16日,右下6ないし8番に以前から装着されていたブリッジを除去するとともに,右下6番について,歯の中の土台となっている金属部分を除去し,同月19日から同年11月24日にかけて,右下6番の根管治療を行った。又,平成11年9月8日から同年10月8日まで,右下8番の歯冠部の除去,麻酔抜髄,貼薬及び根管充填措置を行った。患者は,平成14年10月1日,他の歯科医院で右下6番を抜歯したが,抜歯後の歯の近心根の根管側壁のうち上下方向の中心部分に穿孔があった。
患者は,右下6番の痛みが継続し抜歯する結果を招いたのは被告歯科医師が右下6番の根管治療の際に誤って穿孔した過失,及び,右下8番について不必要な断髄及び不完全な根管治療を行った過失によるものであるとして,被告歯科医師に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。
請求金額 | 654万1834円 | ||||
結 論 | 請求棄却 | ||||
争 点 | ①被告歯科医師に,右下6番の根管治療において,近心根管側壁と髄床底に対し,誤って穿孔し,かつこれに対する処置を怠った過失があるか否か |
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