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産婦人科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

帝王切開手術の際,卵巣のう腫を発見しながら摘出しなかったことについて過失が認められなかったが,経過観察で適切な検査を行わず卵巣茎捻転の発見が遅れた過失が認められたケース

 

大阪地方裁判所
平成15年(ワ)第13022号 損害賠償請求事件,
平成16年(ワ)第5736号 未払治療費等請求反訴事件
平成17年11月30日判決 控訴・控訴棄却
【手技,検査,治療方法時期】

<事案の概要>

患者(女性)は,平成13年10月22日,被告病院(総合病院)のA医師(産婦人科)の診察を受け,右卵巣のう腫が存在すると診断され,同年11月10日及び平成14年2月23日にも,B医師(産婦人科)により,卵巣のう腫と診断されていた。患者は,同年5月25日,被告病院を受診し,B医師により妊娠5週4日であり,右卵巣に34㎜ののう腫が2個存在していると診断された。6月1日,B医師は,超音波検査で胎児の成長具合を確認するとともに,卵巣のう腫の明らかな縮小と変形を認めた。その後,患者は,被告病院を受診し,いずれの診察においても超音波検査を受けていた。平成15年1月17日,患者は児頭骨盤不均衡と診断され,同月22日,執刀医であるB医師と助手であるC院長(外科)により,帝王切開手術を受けた。患者は,1月27日早朝,創部痛ではない腹痛を訴え,坐薬等の処置で排便,排ガスがあったときは,少し楽になるものの,しばらくするとまた腹痛や腹部膨満感を訴えることを繰り返したため,B医師は,イレウスを疑い,腹部単純レントゲン写真を撮影したところ,ニボー像は確認できなかった。患者は,同日以降も程度の差はあるものの,腹痛や腹部膨満感を繰り返し訴えた。同月28日,血液検査で血色素量の低下が認められ,同月30日の血液検査では,白血球数の上昇が認められたため,B医師は感染を疑い,抗生剤を投与した。同年2月1日,B医師は,原告の腹痛が増強し,腹部が膨満しているという所見を認め,同日の血液検査では,血色素量低下,白血球数上昇,CRP値上昇が見られたため,翌2日,B医師は,抗生剤を変更・増量して投与した。同月3日の血液検査でも貧血が認められたため,B医師は血腫を疑い,再開腹手術の必要性を検討したが,経過観察を続けた。同月7日,臍部を中心に腫瘤様のものを触知したため,超音波検査及びCT検査を行ったところ,血腫の存在が確認されたため,再手術が決定された。同月8日,B医師とC院長により,患者に対し,再開腹手術が実施され,患者の右卵巣は血腫化し成人頭大に腫大し,2.5回転の茎捻転を生じた上,腫瘤の左上部が小腸及び大綱に癒着していた。B医師らは,切開創を臍部左方から上方へあげて広げ,癒着部分を剥離した上,右卵巣を切除した。右卵巣血腫について病理組織検査を行った病理学センターは,ムチン性のう胞脱腫及び出血性壊死と診断した。

患者は,被告病院を開設する法人に対し損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計550万円

結  論

一部認容(認容額 50万円)

争  点

①手術の際,B医師が誤って患者の右卵巣に過大な圧力ないし衝撃を加えたか否か。
②手術の際,卵巣のう腫を見逃し,あるいは卵巣のう腫の存在を認識しながらこれを切除せず放置したか。
③術後の経過観察に関する注意義務違反の有無

認容額の内訳

①慰謝料

45万円

②弁護士費用

5万円

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