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産婦人科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

子宮全摘術の実施について説明が不十分であったとして自己決定権侵害が認められたケース

 

大阪地方裁判所 平成14年(ワ)第5428号 損害賠償請求事件
平成15年8月29日判決
【説明義務,問診義務,損害論,自己決定権侵害】

<事案の概要>

患者(昭和26年生,女性)は,平成12年8月30日に,外陰部のかゆみと不正出血を訴え,被告病院(総合病院)を受診し,子宮頸部細胞診を受けた。同年9月6日,患者は,被告病院を受診し,A医師(産婦人科)から,8月30日に実施した細胞診検査の結果がⅢaであり,異形成上皮であるとの説明を受け,同年9月19日,被告病院において,癌検診の精密検査を受けるよう指示された。

同月19日,患者は,B医師(大学の産婦人科教授)の診察を受け,細胞診の再検及び生検組織診等を受け,同月26日,B医師から,細胞診検査の結果がⅡであると説明され,3か月後の受診を指示された。

同年10月10日,患者は,頻尿・尿漏れがあったことから,被告病院を受診した。その際,C医師(産婦人科)に,細胞診の結果について質問したところ,C医師は,クラスⅢaは軽い異形成のレベルであり,再検査ではクラスⅡで異常ではないので,すぐ手術をする必要はなく,3か月後に再検査したらどうかと説明した。これに対し,患者は,心配しながら検査を受けに来るのは非常に億劫である,子宮を切除すれば心配ないのではないかと手術を希望したので,C医師は,仮に手術をするにしても,子宮頸部を円錐状にレーザーで切除するレーザ一円錐切除術という方法もあることを説明したが,その場合も検査を定期的にする必要があるため,患者は,子宮全摘術を希望した。

C医師は,患者に対し,子宮全摘術を実施することとし,同年11月8日,C医師の執刀で,子宮全摘術及び右卵巣摘出術(本件手術)が行われた。術後の病理組織検査では,子宮腺筋症であり,悪性所見はないと診断された。

患者が,被告病院を開設している地方公共団体に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

2000万円及び生存中の生活費等として毎月100万円等

結  論

一部認容(認容額80万円)

争  点

担当医師が,子宮癌でないことを知りながら,患者に,子宮癌であると偽って宣告し,子宮全摘術をすれば助かると思わせるような説明をし,本件手術を実施したか。

認容額の内訳

慰謝料

80万円

判  断

否定、虚偽の説明をして手術を実施したとは認められない。患者が正確に理解できるよう十分に説明すべき義務があったにもかかわらず,説明義務を十分に履行しなかった過失があり,自己決定権を侵害した。

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