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眼科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

同ーのドナーから角膜移植手術を受けた2名の患者が共に失明をしたが,角膜移植手術の手技,及び,その後発症した緑内障の管理等につき,いずれも過失が認められなかったケース

 

東京地方裁判所 平成13年(ワ)第14572号 損害賠償請求事件
平成15年8月29日判決
【手技,入院管理,術後管理,治療方法,時期】

<事案の概要>

患者A(昭和48年生,女性)は,昭和63年8月10日,被告病院(大学病院)を受診し,円錐角膜との診断を受け,平成2年に左眼表層角膜剥離術を受けた後,平成3年7月16日,左眼に対して全層角膜移植手術(本件A第1手術)を受け,同月28日,被告病院を退院した。患者Aは,その後,角膜融解等の症状を生じたことから再度被告病院に入院し,同年8月9日,緑内障手術及び表層角膜移植手術(本件A第2手術)を受けたが,術後も左眼の状態は改善せず,白内障の発症も認められたため,同月28日,全層角膜移植手術及び白内障手術を受けた。

患者Aは,退院後も被告病院に通院していたが,眼圧が高くなり,再度の緑内障手術が必要となり,平成4年1月16日,再度緑内障手術を受け,その後も緑内障手術等を繰り返し受けたが,左眼の状態は改善しなかった。患者Aは,度々の入院や手術が大きな負担となったため,同年4月9日,被告病院を退院して同病院での治療をやめ,自宅近所の病院で経過観察をすることにしたが,平成10年9月ころ,左眼は失明するに至った。

患者B(昭和52年生,男性)は,平成2年4月23日,被告病院を受診し,円錐角膜であるとの診断を受け,被告病院において,平成3年7月16日,左眼に対して全層角膜移植手術(本件B手術)を受け,同月22日,被告病院を退院したが,その後,角膜内皮及び角膜上皮に損傷を生じ,角膜移植片の状態が悪化し,頭痛や吐き気等の症状が生じたことから,同年10月14日,再度被告病院に入院し,緑内障手術を受けた。患者Bは,その後も,角膜の融解が引き続き認められ,白内障も疑われたことから,同月21日,全層角膜移植手術及び白内障手術を受けた。その後,数度の縫合手術等を経て退院したが,平成4年2月以降,高眼圧状態が続き,被告病院において薬物による治療を試みられたが,平成5年3月23日,再び緑内障手術を受けた。患者Bは,その後も被告病院で表層角膜移植手術を受けたが,左眼の状態に大幅な改善はなく,左眼は失明するに至った。

本件A第1手術及び本件B手術において使用された角膜は,同ーのドナーから提供されたもので,ドナーの年齢は69歳,死因は脳梗塞,梅毒陰性,Hb抗体陰性で角膜移植可と判断されており,角膜保存液の細菌培養検査も陰性であった。

患者両名が,被告病院を開設する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

患者Aにつき7632万7280円
患者Bにつき4876万3068円

結  論

患者A,Bともに請求棄却

争  点

患者A

①本件A第1手術の際,虹彩や水晶体を損傷させるなどして緑内障を発生させた過失の有無
②緑内障の術後管理及び治療の誤りの有無

患者B

③本件B手術の際,虹彩や水晶体を損傷させるなどして緑内障を発生させた過失の有無
④緑内障の術後管理及び治療の誤りの有無

判  断

①③本件A第1手術の際に虹彩や水晶体を損傷させたとは認められない。
②④医師の措置に過失は認められない。

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