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小児科・新生児科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

新生児の先天性胆道閉鎖症の鑑別診断について,1か月健診を担当した産婦人科医師に検査を怠った過失があり,これにより患者の救命可能性ないし延命可能性が侵害されたと認められたが,その後患者の診療を担当した小児科医師の過失は認められなかったケース

 

東京地方裁判所 平成14年(ワ)第25167号 損害賠償請求事件
平成16年4月15日判決 確定
【検査,因果関係,損害論】

<事案の概要>

患者(平成9年生,男性)は,平成9年3月15日,被告甲医院(産婦人科の単科医院)で出生した。出生翌日から患者の黄疸の度合いが測定されたが,A医師は,患者の黄疸を生理的な新生児黄疸と判断し,3月23日,患者を退院させた。4月15日,被告甲医院において患者の1か月検診が行われ,A医師が診察したが,少し黄疸が残っているものの,問題はないと判断し,直接ビリルビン値を測定しなかった。

4月16日,患者の両親は,患者に鼻詰まりを認めたため,被告乙病院(総合病院)小児科に患者を受診させた。診察したB医師は,患者の皮膚の色が黒ずんでいたことから,病的な黄疸か否かを鑑別するため血液検査を実施することを勧めたが,患者の母は,前日に被告甲医院で1か月健診を受けて大丈夫だと言われたと述べて,血液検査を拒んだ。B医師は,患者の母の態度から,前日に先天性胆道閉鎖症の鑑別のための直接ビリルビン値等が測定されているものと考え,血液検査を実施しなかった。

5月30日深夜,患者が発熱したため,患者の両親は,翌31日,患者を被告乙病院に受診させた。B医師は,患者に重度の黄疸が現れていることを認め,血液検査を実施したところ,患者の直接ビリルビン値が高値を示した。患者は,被告乙病院に入院となり,6月4日,先天性胆道閉鎖症の確定診断を受けた。B医師は,患者に対して直ちに手術を行う必要があると判断したが,被告乙病院に小児外科の医師がいなかったため,患者を丙病院(総合病院)へ転院させた。患者は,6月10日,丙病院で肝門部肝空腸吻合術を受けたが,先天性胆道閉鎖症は治癒せず同月18日に死亡した。

患者の両親は,患者が死亡したのはA医師及びB医師が患者の先天性胆道閉鎖症を早期に発見せず手術が遅れたためであるなどと主張し,被告甲医院と被告乙病院を開設する各法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計6722万1730円

結  論

被告甲医院を開設する法人に対して一部認容(認容額330万円)
被告乙病院を開設する法人に対して請求棄却

争  点

①A医師は,遅くとも4月15日の1か月健診の際,患者の黄疸の原因を解明するため直接ビリルビン値を測定すべきであったか否か。
②B医師に,4月16日に,患者の先天性胆道閉鎖症を疑い,必要な検査等を実施して確定診断を行い,適切な診療をすべき義務があったか否か。
③①,②の検査義務違反と患者の死亡との間の因果関係の有無
④損害額

認容額の内訳

①慰謝料

300万円

②弁護士費用

30万円

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