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小児科・新生児科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。
医師の使用する医療器具の安全点検に関して過失が認められたケース
東京地方裁判所 平成13年(ワ)第27744号 損害賠償請求事件
平成15年3月20日判決
【安全点検】
<事案の概要>
患者(平成12年生,男性)は,呼吸障害があったため被告病院に入院し,平成13年3月13日に気管切開手術を受けた。切開部位に被告甲社の気管切開チューブが装着された。被告病院の担当医師(小児科)は,手術後に患者を病棟へ帰室するため,気管切開チューブに被告乙社のジャクソンリース回路を接続して呼吸回路を組み立てた上,手動にて人工呼吸を行おうとしたが,ジャクソンリース回路の新鮮ガス供給パイプの先端が気管切開チューブの接続部の内壁にはまり込んで密着し,回路の閉塞をきたし,患者は,換気不全に起因する多臓器不全により死亡した。
ジャクソンリース回路は,麻酔や人工呼吸等の人工換気を行う際に,麻酔ガスや酸素等の新鮮ガスを吸気として患者の体内に送り込み,患者の呼気を排出するために用いる呼吸回路機器で,新鮮ガスの取入口,呼気の排出口,患者側の開口部の3方向に開口部が設けられているT字型構造の円筒部分(Tピース)において呼気と吸気の交換が行われるようにできている。
被告乙社のジャクソンリース回路は,Tピースの内側に,新鮮ガス取入口から患者側の開口部に向かって新鮮ガス供給パイプが長く伸びる特徴を備えていた。
気管切開チューブは,気管を切開した患者の気管切開部に装着し,外部の呼吸回路と接続して使用する呼吸補助用具である。
被告甲社の気管切開チューブは,呼吸回路との接続部の内径が同種製品のうちで最も狭い構造をしていた。
患者の両親は,回路を組み立てた担当医師に回路の閉塞の事前点検を怠った過失があったとして,医師を雇用していた地方公共団体に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。訴訟では,患者らから,ジャクソンリース回路と気管切開チューブの両方に設計上又は指示・警告上の欠陥があったとして,被告甲社及び被告乙社の製造物責任も併せて追及され,両社の責任も肯定された。
請求金額 | 合計8203万5357円 | ||||
結 論 | 一部認容(認容額 合計5062万9842円) | ||||
争 点 | 担当医師に,呼吸回路を構成する器具相互の接続の不具合について,事前のに安全確認を行う義務があったか否か。 | ||||
認容額の内訳 | ①患者の死亡慰謝料 | 2000万0000円 | |||
②患者の逸失利益 | 2242万9842円 | ||||
③葬儀関係費用 | 120万0000円 | ||||
④両親固有の慰謝料 | 各100万0000円 | ||||
⑤弁護士費用 | 500万0000円 |
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