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入院管理における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

精神疾患で入院中の患者が昼食時に急死したことについて,死亡原因が不明とされ,医師らに患者の監視を怠った過失,患者に対する適切な栄養管理を怠った過失がいずれも認められなかったケース

 

大阪地方裁判所 平成16年(ワ)第5064号 損害賠償請求事件
平成18年2月22日判決 確定
【入院管理】

<事案の概要>

患者(昭和38年生,女性)は,平成9年ころ,躁うつ病を発症し,被告病院や他の病院に入通院を繰り返していた。患者は,平成14年5月22日から同月29日まで被告病院に入院し,退院後も,被告病院で定期的に診察を受けていた。患者は,同年8月9日,仙骨部の褥創治療のため,甲整形外科を受診し,低栄養状態が褥創の原因であると診断され。平成14年9月6日,患者は,うつ状態が悪化したことから被告病院を受診し,A医師から,亜昏迷状態(意欲の発現の認められない状態)にあり,アルコール依存症も併発していると診断され,入院することとなった。患者は,入院の際,うつ状態で独歩できず,自分で身体を支えることも困難な状態で,食欲もなく,自ら字を書くこともままならない状況であった。入院翌日の血液検査の結果では,アルブミン値は正常範囲内であった。入院後,患者は,半覚醒状態で歩行するなどし,転倒による危険防止のため,身体拘束処置がとられた。患者は,ふらつきが強く,自力歩行が困難な状態が続き,全身が脱力して頚部後屈状態となっている状態が時折確認され,食欲不振で食事量が少ない状態も続いていた。患者に対しては,抗精神薬のほか,ビタミンB群を含有する錠剤や注射用剤の投与及び補液による栄養管理がなされた。同年9月12日,患者が昼食を自室で摂ることを希望したため,看護師は,同日午後O時5分ころ,ナースステーションから患者の様子が分かるように車椅子を廊下側に向けて食事のセットをし,午後0時10分ころ,患者がスプーンでお粥をゆっくり摂取し始めたのを確認して,その場を離れた。午後0時20分ころ,看護師は,患者の病室を訪れ,患者が顔面蒼白で,右手にスプーンを握ったまま頸部が後屈し,心肺が停止しているのを発見した。B医師や看護師数名が駆けつけ,患者に対して人工呼吸による換気と心臓マッサージが行われ,間もなく駆けつけたA医師が,気管内挿管を実施し,人工呼吸及び酸素投与を施し,誤嚥による窒息の可能性を考慮して気管内吸引も実施した。しかし,口腔内に食物は残っておらず,気管内挿管の際の喉頭展開でも,咽頭に異物の存在は確認できず,気管内吸引でも粥が少量回収されたのみであった。同日午後0時30分ころ,患者の心拍が再開し,自発呼吸も徐々に再開し,同日午後1時ころ,被告病院から乙病院へ搬送されたが,患者は,乙病院搬送後,意識を回復することなく,同年10月17日,低酸素脳症により死亡した。

患者の家族(夫及び子ら)は,被告病院を設置する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計5875万9391円

結  論

請求棄却

争  点

①死亡原因
②患者の監視を怠った過失の有無
③患者に対する適切な栄養管理を怠った過失の有無

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