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整形外科・形成外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

膝関節の人工関節置換術後,感染症を生じたことについて,医師に手術実施上の過失は認められなかったが,説明義務違反及び術後管理上の過失は認められ,後遺症が生じなかった高度の蓋然性は認められなかったが,相当程度の可能性が認められたケース

 

大阪地方裁判所 平成16年(ワ)第698号 損害賠償請求事件
平成18年3月17日判決 控訴
【説明・問診義務,手技,入院管理,因果関係】

<事案の概要>

患者(大正15年生,男性)は,平成6年3月22日,右膝痛を訴えて被告病院(総合病院)整形外科を受診し,レントゲン検査の結果等から変形性膝関節症と診断された。担当医師は,患者に,関節注射等の保存的治療を行い,痛みが軽減されなければ人工関節置換術を勧めることを説明し,同年6月11日まで,ヒアルロン酸ナトリウムの関節注射を実施したが,右膝関節痛は軽快しなかった。担当医師は,同月20日,右膝関節の造影検査を実施し,膝蓋軟骨の消失や軟骨面の不整等が見られたが,骨切り術を要するほどの変形は認められなかったため,人工関節置換術を実施することとした。患者は,同年7月12日,被告病院に入院し,同月15日,人工関節置換術を受けた。

患者は,手術直後から,関節液貯留等の症状は見られなかったが,右膝痛,熱感や腫脹などが継続し,体温も微熱傾向にあった。患者は,同年8月12日には,右膝に著明な腫脹や熱感が見られ,血液検査で,CRP値や赤沈値が異常値を示していた。患者は,同年11月30日に被告病院を退院するまで,右膝の熱感,腫脹及び疼痛が継続し,微熱傾向も同年10月末まであり,血液検査で白血球数,CRP値及び赤沈値のいずれかが異常値を示す状況であった。患者は,退院後,被告病院に通院していたが,右膝関節痛や腫脹等の症状が軽快しなかったことから,平成7年9月4日,別の病院(大学病院)の整形外科を受診した。同年10月,同病院に入院して関節液の培養検査を受けたところ,ブドウ球菌が検出され,同病院で,同年11月14日,右膝の人工関節が抜去され,平成8年2月20日に再置換術が実施された。平成14年10月8日には,再置換術後の感染のため,人工関節が再度抜去され,創外固定された。

患者は,平成15年5月29日,右膝下に感覚障害(感覚鈍麻),右下肢全体の運動障害(固縮)及び右下肢の形態異常(短縮)があり,右下肢機能全廃により,屋内では歩行に両松葉杖を要し,屋外では車椅子の使用を要し,階段昇降は不能であるとの診断を受けたが,別の原因で死亡した。

患者の家族(妻及び子)が,被告病院を開設する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計4412万5046円

結  論

一部認容(認容額 800万円)

争  点

①担当医師に,本件手術の危険性等についての説明義務違反があったか。
②担当医師に,本件手術の際,手術室内の衛生管理を十分行わなかったか,手術時間を遷延させたため患者に感染を生じさせた過失があったか。
③担当医師に,本件手術後の感染を早期に疑って持続洗浄等により炎症の沈静化を図らなかったため感染症を悪化させた過失があったか。
④過失と患者の後遺症との間に因果関係の有無

認容額の内訳

①説明義務違反による慰謝料

100万円

②術後管理上の過失による後遺障害慰謝料

600万円

③弁護士費用

100万円

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