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整形外科・形成外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

肘部穿刺によってり橈骨神経が損傷したことについて,穿刺手技を選択した注意義務違反,穿刺方法における注意義務違反,穿刺後の指導における注意義務違反,説明義務違反がいずれも認められなかったケース

 

大阪地方裁判所 平成16年(ワ)第13102号 損害賠償請求事件
平成18年2月27日判決 控訴
【説明・問診義務,手技,治療方法・時期】

<事案の概要>

患者(女性)は,平成14年6月20日,左肘内側にしこり(後にガングリオンと判明)を認めたため被告医師が開設する医院を受診した。被告医師は,触診し,エックス線検査,超音波検査を実施し,ガングリオンや膿瘍を疑い,悪性,良性の鑑別のため,嚢腫内容物の穿刺を行って細胞診検査を行うこととした。被告医師は,患者に対し,穿刺を行うことを説明し,局所麻酔を行い,注射器に穿刺針(24G,長さ2.5cm)を付けて,腫瘤に対し1度目の穿刺を行ったが,患者が穿刺後強い痛みを訴えたため,穿刺針をいったん抜き,近くの部位を再度穿刺した。このとき患者は,痛みを訴えなかったが,軽い痛みを感じていた。注射器を吸引したところ,ゼリー状の物質がl吸引された。被告医師は,穿刺の際,患者の橈骨神経浅枝(知覚校)を損傷した。6月22日,患者は,被告医師に電話をし,手がしびれる旨を訴え,被告医師から直ちに受診するように指示されたため,同日,被告医師を受診した。被告医師は,患者の左腕にしびれを確認したが,触覚,痛覚などの知覚障害,手の動き等の運動障害は見られなかった。被告医師は,ガングリオンによる圧迫症状の増悪や穿刺時の神経損傷等を疑い,患者に対し,回復しない場合は神経修復手術やガングリオンの摘出術を受けるように勧め,手の外科の専門医の診察治療を受ける必要があるとして,複数の医療機関名を挙げて,湿布薬を処方した。被告医師は,6月27日,患者に対し,細胞診検査の結果,良性所見(クラス1)であることを告げ,手のしびれについては,早急に受診する病院を決めるよう勧めた。7月1日,患者が被告医師に,甲病院の受診を希望したため,被告医師は,同病院整形外科あての紹介状を作成し,患者に,被告医師が実施した検査資料等一切を渡した。7月2日,患者は,甲病院を受診し,A医師の診察を受けた。患者は,穿刺痕(橈骨神経領域)のしびれを訴え,左肘関節屈側に穿刺痕が見られた。7月23日,患者は,乙病院を受診し,B医師の診察を受けた。患者は,B医師に対し,被告医師に穿刺された際,左母指背側に放散痛を感じ,その後1か月疼痛が持続していることを伝え,B医師が触診したところ左肘内側に硬結を認めた。B医師は,各種検査の結果,橈骨神経浅枝損傷と診断し,左肘ガングリオン摘出術及び橈骨神経剥離術の実施を決定し,患者は,7月31日,乙病院に入院した。主治医は,C医師で,8月1日,B医師の執刀,C医師等の助手により,患者に対し手術が実施され,患者は,同月3日乙病院を退院した。患者は,平成15年3月25日,同年6月11日,乙病院を受診し,同日で治療が打ち切られ,その後は,医療機関で治療を受けていない。B医師は,平成17年6月8日,患者の左肘について,橈骨神経周膜の裂け目から神経繊維が突出する状態で,これが疼痛の原因であると判断し,疼痛は消失したが,左橈骨神経の固有知覚領域に知覚過敏と異常感覚が残っていると診断した。

患者が,橈骨神経損傷の損害を被ったのは,被告医師に穿刺手技を誤った注意義務違反などがあったからであると主張し,被告医師に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計1421万4555円

結  論

請求棄却

争  点

①損傷した神経の種類,部位,本件ガングリオンとの位置関係
②穿刺手技選択,穿刺方法,穿刺後の指導における各注意義務違反の有無
③説明義務違反の有無

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