過去の医療事故・医療過誤(医療ミス)の裁判事例 整形・形成外科 大阪地判平成18年2月22日判決

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整形外科・形成外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

 

頸椎椎弓形成術後,左上肢麻痺が生じたことについて,手術の術式選択の誤り,手術手技上の過失,説明義務違反がいずれも認められなかったケース

 

地方裁判所 平成16年(ワ)第1224号 損害賠償請求事件
平成18年2月22日判決 控訴・和解
【説明・問診義務, 手技, 治療方法・時期】

<事案の概要>

患者(昭和17年生,女性)は,平成13年9月19日,腰が痛くて下肢に力が入らないと訴えて甲外科病院を受診した。腰部MRI検査の結果,第4,第5腰椎間が狭窄している所見が認められ,患者は,甲外科病院へ通院を続けたが,痛みが増強し,左足の知覚減退,つま先の伸展が不可能などの所見が認められため,10月3日,甲外科病院に入院し,腰の牽引療法や頭,頸,背部のマッサージ療法を受けるなどしたが,改善せず,同月24日に退院した。患者は,その後も甲外科病院に通院したが,背下部痛や左殿部から下肢にかけて,しびれ感,痛みが継続し,同年11月10日,甲外科病院の医師から,痛みが長引くようなら手術も一つの方法であると告げられたため,同月13日に,乙病院の整形外科を受診したところ,同様に手術を勧められた。

 

患者は,同月20日,左殿部から足の親指にかけての痛みやしびれ,間欠跛行症状,手指巧緻性障害を訴え,被告病院(総合病院)を受診し,神経学的検査並びに腰椎及び頸椎の単純X線写真検査を受け,同年12月3日,腰椎のMRI検査を受けた。同月12日,担当医師(整形外科)は,上下肢の神経学的検査の結果,両上腕三頭筋反射低下,両下肢深部腱反射亢進,ホフマン反射右陽性,右第5頸髄節以下の知覚麻痺,左第5腰神経支配領域の知覚過敏等が認められ,既に撮影されていたX線,MRIフィルムから頸椎症性脊髄症による手巧緻性障害,腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行及び左下垂足と診断し,頸髄症については,重度でかつ進行性のものであると判断した。担当医師は,頸椎症性脊髄症による重篤な運動麻痺の進行予防及び現存症状の改善並びに腰部脊柱管狭窄症による現存症状の改善のため,頸椎椎弓形成術及び腰椎開窓術による治療が望ましいと考え,患者に対し,頸髄症と腰部脊柱管狭窄症であり,手術による治療を受けるよう勧めた。患者は,同月14日,被告病院を受診し,頸部MRI検査を受け,担当医師から第5,第6,第7頸椎間の狭窄症があると診断された。患者は,他院でのセカンドオピニオンを希望し,平成14年1月10日,乙病院を受診し,医師より,頸椎症性脊髄症と診断され,右手及び歩行の不自由が進行するようであれば,頸椎の手術は必要であると告げられた。

 

患者は,1月31日,被告病院に入院し,2月1日,担当医師から,手術方法等について説明を受け,同月4日,担当医師の執刀により頸部脊柱管拡大術(頸椎椎弓形成術)及び腰椎開窓術を受けた。術後,患者には,左第7頸神経の麻痺症状を生じ,被告病院や他院においてリハビリ治療を受けたが症状は改善しなかった。

 

患者は,被告病院を開設する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

 

請求金額

合計3300万円(4665万6547円の一部請求)

結  論

請求棄却

争  点

@頸部脊柱管拡大術の術式選択の誤りの有無
A頸部脊柱管拡大術における手技上の過失の有無
B説明義務違反,及び,説明義務違反と患者の現在の症状との因果関係の有無

 

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