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整形外科・形成外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

胸椎伸展矯正法を実施した柔道整復師が,患者に脊髄損傷等を発症するおそれを予見できなかったとして施術の過失が否定されたケース

 

大阪地方裁判所 平成13年(ワ)第7953号 損害賠償請求事件
平成14年9月30日判決
【手技,因果関係】

<事案の概要>

患者(昭和18年生,男性)は,平成9年5月23日から,被告整骨院に通院し,頸椎捻挫,腰椎捻挫,右前腕部挫傷の診断で,1週間に1〜3回の割合で,継続的に通院していた。患者は,平成11年初めころから,通院3回につき1回程度の割合で,担当の柔道整復師により,プチブロックを用いて胸郭を前方向に押し広げる胸椎伸展矯正法(本件施術)を受けるようになった。

患者は,平成12年4月下旬ころから,左肩甲骨と背骨間の部分の強い痛みが取れないため,同年5月1日,甲病院を受診した。患者は,知覚異常,手指運動障害は認められなかったが,後屈時に疼痛が生じ,スパーリングテスト,ジャクソンテストで左陽性,握力は左8kgに低下していた。X線検査の結果,C5〜C6に軽度の狭小化が認められ,C6に骨棘が認められたため,担当医師は,頸椎症性神経根症と診断し,安静を指示し,痛み止めの内服薬と湿布を処方した。

患者は,同月9日,同月12日,被告整骨院で施術を受けたが,甲病院を受診したことは告げなかった。

患者は,同月13日午前9時ころ,甲病院で投薬を受け,同日午前10時過ぎ,被告整骨院で電気治療を受けた後,担当柔道整復師の治療を受けたが,問診に対しては,いつもと同様に首と肩が凝っていると答えたものの,甲病院を受診したこと告げなかった。

担当柔道整復師は,患者に対し,指圧,膝関節,股関節を屈曲するストレッチを行った後,背部の筋緊張を緩和するため,胸椎伸展矯正法を施した。患者は,施術終了後,自転車で帰宅した。

患者は,同日午後8時ころ,自宅でテレビを見ているとき,腰がスッと抜けるような異常な感覚を2回感じ,翌14日午前2時過ぎころ,体に異変を感じて目覚め,寝返りが打てず,左腕と両足が動かず,胸から下の部分が麻痺していることに気付き,同日午前9時ころ,甲病院に救急搬送され入院した。

患者は,同日,甲病院でのMRI等の検査の結果,C5-6,C6-7の2か所に頸椎椎間板ヘルニアがあり,C6-7でヘルニアが脊髄を圧迫ないし損傷していることが判明したため,同年9月1日,頸椎椎椎間板ヘルニア除去術,頸椎前方固定術を受けた。

患者は,下肢麻痺,しびれ感,歩行障害,膀胱直腸障害,頸部痛,腰痛等の後遺障害,C5-7の前方固定術により脊柱の変形を残し,頸椎部に運動障害が残った。

患者は,担当柔道整復師及び被告整骨院を経営する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

1億5450万8244円

結  論

請求棄却

争  点

①患者の胸椎伸展矯正法施術前の状態
②担当柔道整復師が平成12年5月13日に行った胸椎伸展矯正の方法
③胸椎伸展矯正法施術と患者に生じた脊髄損傷との因果関係の有無
④胸椎伸展矯正法施術における過失の有無

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