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整形外科・形成外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

左下腿部の黒色腫の切除術及び植皮術を実施したことについて,手術適応の判断を誤った過失,手技を誤った過失,説明義務違反がいずれも否定されたケース

 

大阪地方裁判所 平成13年(ワ)第12186号 損害賠償請求事件
平成14年9月25日判決
【説明義務,問診義務,手技,検査,手術適応】

<事案の概要>

患者(平成11年当時26歳,女性)は,平成11年8月27日,左下腿部に黒色腫ができたため被告病院(大学病院)形成外科を受診した。担当医師(形成外科)は,患部の所見と患部から出血が続くとの患者の訴えから,悪性の皮膚腫瘍を疑い,最も悪性度の高い悪性黒色腫との鑑別のため,腫瘍部の組織検査を兼ね,できるだけ早く腫瘍部を完全摘出する必要があると判断し,同日午後,黒色腫の切除術を施行した。

同年9月7日,切除部の病理組織検査の結果,スピッツ母斑(良性の皮膚腫瘍)と考えられるが,スピッツ母斑にしては核異型が強いので経過観察が必要と診断されたため,担当医師は,皮膚科の診断も経て確定診断する必要があると考え,患者に対し,皮膚科を受診するよう勧めた。

患者が、皮膚科を受診したところ,基本的にはスピッツ母斑でよいと思うが,悪性黒色腫と異型性母斑との鑑別判断を要するため,患部から5mm離して切除し経過観察を要すると診断された。同月17日,担当医師は,患者に対し,左下腿部皮膚腫瘍拡大切除術・遊離植皮術を実施した。

同年10月4日,患者は左下肢の跛行及び長時間の荷重による疼痛を訴えたが,担当医師は,全体としては症状の軽減が認められたことから患者を退院させた。

患者は,退院後,形成外科を外来受診し,左下肢の腫れと疼痛を訴え,リハビリテーション科でリハビリテーションを受け,平成13年6月には甲病院(総合病院)にて瘢痕切除術を受け,同年9月19日,被告病院形成外科を外来受診した際,左下肢の下3分の1から足先までしびれ感があり,左踵部後方に浮腫があって,長時間歩行すると疼痛が出ると訴えた。

患者が,被告病院を開設する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

634万6782円

結  論

請求棄却

争  点

①悪性黒色腫は,DMSやスタンプ蛍光法の補助診断法によって確定診断が可能で,これら補助診断法で確定診断できない場合に限って皮膚生検を行うべき注意義務があったか。
②担当医師は,黒色腫の切除術の際に患者の腓腹神経を切断又は損傷した注意義務違反があったか。
③遊離植皮術に際し,患者の筋膜と植皮した皮膚を癒着させてはならない注意義務があったか。
④担当医師は,患者に対し,各手術の目的・方法・内容・予想される危険性・予後等について必要な説明を行わなかった注意義務違反があったか。

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