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消化器外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。
大腸癌の手術後に患者が汎発性腹膜炎を生じたことについて,担当医師の行った縫合措置や術後管理に過失はないとされたケース
大阪地方裁判所 平成11年(ワ)第4273号 損害賠償請求事件
平成14年5月22日判決
【手技,入院管理】
<事案の概要>
患者(女性)は,被告病院において,大腸癌と診断され,平成8年8月26日,S状結腸切除術を受けた。患者は,同月29日,熱発し,ドレーンからの排液が胆汁様(緑色)に汚濁していたことから,A医師がガストログラフィンによる注腸検査等を実施したところ,ピンホール大の縫合不全が認められた。
A医師が,抗生物質を投与するなどしたところ,次第に解熱して,血圧も安定し,ドレーンからの排液も漿液性のものへと薄くなったが,同年8月30日ころから患者に洞性頻脈,過呼吸,精神不穏状態が見られるようになった。
A医師は,同月31日,患者に対し,腹部レントゲン検査を実施したが,汎発性腹膜炎や膿瘍形成による麻痺性イレウスを示す所見は認められなかった。
患者は,洞性頻脈,過呼吸,精神不穏状態が継続していたが,同年9月2日,高熱を発し,その後呼吸不全となった。
A医師は,腹部膿瘍等を確認するため,試験的腹腔内穿刺を実施したが,排液は正常であったことから,腹部膿瘍と併せて,開腹手術に基づく甲状腺クリーゼの可能性も考え,腹部症状のチェックのため血液細菌培養等の検査を行うとともに,甲状腺機能を確認する検査を実施した。同日夜から翌3日早朝にかけて,患者の血圧が80〜50に低下したため,患者は,甲病院に転送され,緊急開腹手術が実施されたところ,S状結腸吻合部に縫合不全が発見され,腹腔内膿瘍,汎発性腹膜炎を併発していることが判明した。
甲病院のB医師は,縫合不全を発症した吻合部を除去するとともに,人工肛門を設けるなどの手術を施行した。
患者は,被告病院の開設者に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。
請求金額 | 合計 1億4489万6017円 | ||||
結 論 | 請求棄却 | ||||
争 点 | ①A医師は,吻合部の血流が不十分であったのにこれを確認せずに吻合したことにより,縫合不全を引き起こしたか否か。 ②A医師は,術後管理を怠って縫合不全を悪化させたか否か。 ③上記①,②の過失と患者の両下肢に生じた著しい運動障害との間の因果関係の有無 |
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