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消化器外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

腹部内のカテーテルの残置について慰謝料の支払義務を肯定したケース

 

大阪地方裁判所 平成15年(ワ)第973号 損害賠償請求事件
平成15年11月28日判決
【損害論】

<事案の概要>

患者(昭和16年生,男性)は,平成11年3月31日,急性膵炎のため,被告病院(総合病院)に入院し,同年4月8日,後腹膜腔膿瘍のドレナージ術(本件手術)を受けた。担当医師は,手術の際、超音波ガイド下に膿瘍の穿刺を行い,ピッグテールカテーテルを留置した。

平成13年8月7日,患者は,慢性膵炎と糖尿病の精査目的で,被告病院に入院した。腹部X線検査で,患者の左腎周囲腔に,1.5cmから2.0㎝の糸状のもの(本件異物)が発見された。被告病院は,本件異物は,本件手術時に使用したピッグテールカテーテルの一部が残置されたものであり,被告病院に責任があることを認めた。

しかし,患者と被告病院との間で,本件異物の除去手術の必要性,慰謝料額で話し合いができなかったことから,患者は,被告病院を開設する地方公共団体に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

当初,患者は,本件異物除去手術の手術代金及びそれに伴う慰謝料を請求していたが,本件異物の除去手術を当面行わないこととしたため,この部分の請求を撤回している。

請求金額

110万円

結  論

一部認容(認容額30万円)

争  点

患者の腹部に本件異物を残置したことにより,患者が被った精神的苦痛に対する慰謝料額

認容額の内訳

①慰謝料

25万円

②弁護士費用

5万円

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