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消化器外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

肝癌・肝部分切除術及ぴ胆のう摘出術において,術後出血の徴候となる所見を看過し術後出血の診断及び再開腹止血術の実施が遅れた過失が認められたケース

 

大阪地方裁判所 平成13年(ワ)第13471号 損害賠償請求事件
平成15年9月29日判決
【説明義務、,問診義務,手技,入院管理,適応,因果関係】

<事案の概要>

患者(昭和4年生,男性)は,平成9年,定期健康診断で,C型肝炎ウイルスに感染し,肝硬変を発症していることが判明した。以後,患者は,被告病院(総合病院)において,インターフェロン等の治療とともに,血液生化学検査及び画像検査を定期的に受けていた。患者は,平成12年11月及び12月の検査で,肝細胞癌と診断され,同月被告病院内科に入院した。

肝癌に対する治療として,当初はPEIT(経皮的エタノール注入療法)が予定されたが,カンファレンス等の結果,治療法を肝部分切除術へ変更することになり,患者は外科へ転棟となった。同月18日,担当医師(外科)が執刀し,患者に対し,肝部分切除術が実施された。肝部分切除術に際しては,胆のうも摘出するのが一般である上,患者の胆のうに胆石が認められたことから,胆のう摘出術も併せて行われた。胆のう底部を肝床部から剥離するに際し,肝硬変による出血傾向などのため,数百ミリリットルの出血が生じたが,担当医師は,結紮,電気メス,圧迫などによって止血し,閉腹した。

患者は、同日から翌19日にかけて,血圧低下,尿量減少を生じ,昇圧剤や利尿剤が投与されたが改善せず,同日午前の血液検査でヘモグロビンの低下等が認められたが担当医師はドレーンからの排液がそれほど認められなかったこともあり,術後出血を疑わなかった。

同日午後,ドレーンから継続的に血性排液があったため,術後出血と診断され,同日夜,再開腹止血術が行われた。患者は,止血術後も肝不全等の重篤な状態が続き,平成13年1月28日,腎不全及び肝不全を直接死因として死亡した。

患者の家族が,被告病院を開設する地方公共団体に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計7964万2716円

結  論

一部認容(認容額 合計3754万4357円)

争  点

①肝部分切除術の適応があったか否か
②胆のう摘出術の適応があったかいなか
③胆のう摘出術実施時の胆のう剥離手技,止血処置に不適切な点があったか否か
④術後管理において,術後出血の徴候となる所見を看過し,術後出血の診断及び再開腹止血術の実施を早期に行うことができなかった過失があるか。
⑤術後管理における過失と患者の死亡との間の因果関係の有無
⑥肝部分切除術及び胆のう摘出術実施前の説明義務違反の有無

認容額の内訳

①治療費

32万9780円

②葬儀費用等

100万0000円

③逸失利益

781万4577円

④死亡等慰謝料

2000万0000円

⑤遺族固有の慰謝料

500万0000円
(家族4名)

⑥弁護士費用

340万0000円

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