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脳神経外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

精神病院に入院中の患者が無断外出して自殺を図ったことについて,医師に患者の自殺を防止するための監護・監視義務違反が認められなかったケース

 

大阪地方裁判所
平成16年(ワ)第13389号,
平成17年(ワ)第6120号 損害賠償請求事件
平成18年2月8日判決 控訴
【入院管理】

<事案の概要>

患者(昭和8年生,女性)は,平成15年3月ころ,不眠,食欲不振,心身状態の異常などをきたし,自殺したい旨口走るようになった。患者は,4月1日,散歩中に電車に飛び込もうとしたり,ベランダから飛び降りようとする行為が見られた。5月1日,患者は,被告病院を受診したが,入院治療の意味を理解できる精神状態ではなかったため,精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「精神福祉法」という)33条に基づき,患者の家族を保護者としてその同意を得て,被告病院に医療保護入院することとなった。同日,患者は,うつ状態等と診断され,閉鎖病棟に入院した。閉鎖病棟入院中,患者は,不眠,拒食傾向にあり,自殺企図を口にすることもあり,うつ状態が疑われ,妄想的な訴え,食欲不振,不眠の訴えが続いたが,6月には,食欲不振,不眠,だるさ等を訴えたものの,落ち着いており,周囲への関心が高まる様子があり,抑うつ感が改善傾向にあった。そのため,患者は,6月20日から精神福祉法23条の3に基づく任意入院に切り替えられ,開放病棟へ転棟した。その後も,患者は,食欲不振,妄想様の訴えを続け,言動は,依存的で,しんどい,できない等訴えたが,実際は自分でできていたり,院内散歩を開始するようになり,定められたルールも守り,無断で被告病院の敷地外に外出することもなかった。医療保護入院に際し,精神保健指定医はA医師,主治医はA医師,B医師であり,A医師が入院期間中の患者を診察していた。患者は,7月29日,被告病院を無断外出し,近接する団地建物4階から転落した。患者は,被告病院で応急処置を受けた後,救急センターに転送され,出血性ショック,頭蓋骨・頭蓋底骨折,脳挫傷(挫傷内血腫),急性硬膜下血腫,両側多発肋骨骨折等と診断され,緊急手術,開頭手術等の手術を受けて一命を取り留めたものの,12月28日,身体障害者1級の認定を受けた。患者は,刺激を受ければ,左目を開けて反応する程度で,ほとんど意識が回復していない状態であり,全介護を要する状態が続いている。

患者及び患者の家族は,患者が,被告病院入院中に,飛び降り自殺を図り,身体障害者1級認定の障害を受けるに至ったのは,A医師に,自殺企図を有していた患者の自殺を防止するための十分な監護・監視を怠った過失があったことによるとして,A医師及び被告病院を開設する医療法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計4375万円

結  論

請求棄却

争  点

患者の自殺を防止するための十分な監護・監視を怠った過失の有無
(1)開放病棟に転棟させた過失の有無
(2)開放病棟転棟後の監護,監視を怠った過失の有無

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