過去の医療事故・医療過誤(医療ミス)の裁判事例 脳神経外科 大阪地判平成15年2月19日判決

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脳神経外科における過去の医療事故・医療過誤(医療ミス)の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

 

定位的血腫吸引術について手術適応の判断や手術手技などに過失が認められなかったケース

 

大阪地方裁判所 平成13年(ワ)第10757号 損害賠償請求事件
平成15年2月19日判決
【手技,手術適応,治療方法・時期】

<事案の概要>

患者(大正2年生,女性)は,平成11年2月ころから物忘れが酷くなっため,同年3月3日,近医を受診して頭部CT検査を受けたところ,右前頭葉に出血があって記憶障害の原因となっている可能性があると診断された。患者は,精査目的で,同月6日,甲病院(大学病院)脳神経外科を受診した。その際,患者の息子から医師に対し,患者の様子が急におかしくなり,失禁もあると説明され,検査の結果,患者には,近位記憶障害や,日付が分からなかったり,計算ができない等の症状があり,頭部MRI上,右前頭葉に血腫及び側脳室前角の軽度の圧迫が認められた。甲病院の医師は,患者に比較的新しい出血があると考え,入院を勧めたが患者は入院しなかった。

 

患者は,同月26日,息子に伴われて被告病院を受診し,A医師の診察を受けた。患者の息子は,A医師に対し,患者の物忘れがひどくなったなどと説明した。患者は,日付を答えることができず,軽度の片麻痺があり,頭部MRI上,右前頭葉の脳内出血と左前頭葉の脳挫傷の痕が認められた。A医師は,患者の息子に対し,血腫を除去すれば症状が改善する可能性があると述べ,定位的血腫吸引術の説明をした上で,患者が高齢(当時86歳)で血管が脆くなっていることを考慮し,手術をするか否か検討することとした。

 

患者は,同月27日,被告病院に入院したが,徘徊が見られた。患者の息子は,患者を大学病院に転院させたいと考え,同月29日,被告病院から退院させて甲病院を受診させたが,甲大学病院の医師は,患者が看護の適応であることを理由に治療及び検査を断った。

 

患者の息子は,同年4月9日,患者を再び被告病院に受診させ,定位的血腫吸引術を受けることを希望した。患者は,同月12日,被告病院に入院し,B医師の執刀で定位的血腫吸引術が実施された。術後,B医師は,頭部MRI上,吸引した血腫のあった位置より後方に,淡い白い影が映っているのを確認したが,動脈性術後出血ではなく老齢化による血管の変性によるアミロイド性の出血であり,保存的治療で対応できると判断し,ステロイドの点滴を行った。

 

患者は,翌13日朝,意識障害を生じ,左片麻痺が悪化し,CT上,血腫が拡大しており,脳の変位が認められたことから,動脈性の出血があり,命にかかわるので手術が必要と判断され,開頭手術が実施され,約100ccの血腫が吸引除去された。

 

その後,患者には,重篤な脳障害が残り,平成12年11月10日,死亡した。

 

患者の家族が,被告病院を設置する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

 

請求金額

合計3939万3730円

結  論

請求棄却

争  点

@定位的血腫吸引術に緊急の必要性や有効性があったか否か(手術適応)
A定位的血腫吸引術の際にプローベの操作を誤り出血を招いたか
B術後,出血に対する対処を怠ったか否か

 

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