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脳神経外科における過去の医療事故・医療過誤(医療ミス)の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

くも膜下出血を発症した脳動脈瘤患者に対する開頭クリッピング手術後,脳血管造影検査を行った際,患者に麻痺を生じたことについて,検査の必要性が認められ,検査の手技上の過失も,説明義務違反も認められなかったケース

 

東京地方裁判所 平成14年(ワ)第3351号 損害賠償請求事件
平成16年6月30日判決 控訴 判タ1212号226頁
【説明・問診義務,手技,適応】

<事案の概要>

患者(昭和17年生,男性)は,平成8年10月9日,激しい頭痛があり,様子を見ていたが,同月17日,頭痛を訴えて甲病院を受診した。検査の結果,2つの脳動脈瘤が発見され,そのうち1つが破裂してくも膜下出血を発症していると診断され患者は,被告病院に搬送された。被告病院での検査の結果,前交通動脈に1か所,脳底動脈と上小脳動脈の分岐部に1か所の合計2か所の動脈瘤があり,このうち前交通動脈脳動脈瘤が破裂した可能性が高いと考えられ,開頭クリッピング手術が予定された。担当医であるA,B及びC医師は,いずれも被告病院の脳神経外科医で,A医師は約10年,B医師は約6年の医師経験を有し,C医師は研修医であった。同医師らにより同月29日,開頭クリッピング手術が実施されたが,難易度の高い脳動脈瘤のクリッピングは成功したものの,術後患者に右上下肢の麻痺が生じた。

被告病院では,開頭クリッピング手術後,必ず脳血管造影検査を実施することにしていたところ,_患者に生じた麻痺の原因をさぐる必要性もあったことから,同年11月21日,B医師及びC医師によって,患者に対し脳血管造影検査が実施された。検査では,まず左総頸動脈,右総頸動脈の撮影が行われ,引き続き右椎骨動脈の撮影を行おうとしたが,なかなかカテーテルが入らず,患者から右上肢の動きが悪い,力が入らないとの訴えがあった。B医師らは血流改善作用のあるグリセオールを投与したが,患者の症状が改善しないためいったん検査を中断した。B医師は,患者の右上肢に麻痺が現れたことから,左総頸動脈領域に血栓が飛んだ可能性が高いと考え,血栓溶解作用のあるウロキナーゼを投与しつつ,原因検索のために左総頸動脈の撮影を再度実施したが異常は発見できなかった。その後,頭部CTにより,患者の左頭頂部及び左被殻から左放射冠にかけて脳梗塞が認められ,これが麻痺の原因であると考えられた。

患者は,リハビリを行ったが,麻痺が残存した(麻痺の程度については当事者に争いがある)。

患者が,被告病院を開設している法人に対して,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計6765万円

結  論

請求棄却

争  点

①脳血管造影検査の必要性
②脳血管造影検査におけるカテーテル操作等の手技上の過失の有無
③検査において研修医にカテーテル操作を行わせたことの適否
④説明義務違反の有無

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