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循環器外科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

ペースメーカー植込み手術の時期に関して過失が認められたケース

 

東京地方裁判所 平成13年(ワ)第16375号 損害賠償請求事件
平成16年2月2日判決
【治療方法・時期】

<事案の概要>

患者(昭和17年生,女性)は,平成9年10月15日,買い物をして帰宅する途中,頭がぼーっとなり,目の前が真っ白になったことから,同月16日,甲病院(国立病院)を受診したところ,完全房室プロックでペースメーカー植込み手術を要すると診断され,翌日以降の入院予約をして帰宅した。

同日夜,患者の夫は,高校の先輩に当たる被告病院(大学病院)に勤める医師(担当医師)に電話をかけ,翌日,患者が同医師の診察を受けるよう手配した。

患者は、同月17日,担当医師の診察を受け,完全房室ブロック及び心室性期外収縮が見られるとの診断で,ペースメーカー植込み手術を受けることとなった。

当時,被告病院では毎週火曜日に同手術を施行していたが,直近の火曜日である同月21日は予約が一杯で,翌週火曜日である同月28日は空きがあったが,担当医師がインドで開催される学会に出席するため日本にいない予定であった。

担当医師は、知人から直接患者の診療を依頼されので患者の手術に立ち会った方がよいと考え,翌々翌週の火曜日である11月4日を手術予定日とし,10月31日入院予定日とした。

患者は,手術予定日が決まった後,担当医師に対し、10月15日の症状について,300mくらい歩いた後に冷や汗が出て,目の前が暗くなったように感じた旨を述べたが,担当医師は,この病気特有の症状で,心拍数が遅いための低心拍出量状態ではそういうことは起こり得るという趣旨の説明をしたのみであった。

患者は,同月31日,被告病院に入院し,同日の心電図検査で再度完全房室ブロックと診断された。11月3日午前6時50分ころ,患者は,心室細動を発症してトイレ内の壁にもたれかかっているところを発見され,同月8日,脳死状態と判定され同月11日肺炎により死亡した。

患者の夫及び長女が,被告病院を開設する法人及び担当医師に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計4408万4113円

結  論

一部認容(認容額 合計3911万5360円)

争  点

担当医師は,患者に対し,10月17日の初診後,速やかにペースメーカー植込み手術を行うべきであったか否か。又,速やかにペースメーカー植込み手術を行わない場合は,一時的ペースメーカーの使用又は薬剤投与による治療を行うべきであったか否か。

認容額の内訳

患者の損害(患者の夫が2分の1,患者の長女が4分の1を相続)

①逸失利益

2185万3814円

②慰謝料

2400万0000円

③葬儀費用

150万0000円

弁護士費用

①患者の夫

240万0000円

②患者の長女

120万0000円

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