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放射線科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。
造影剤を用いたCT検査を実施する際,患者に対する問診を怠った過失が争われ診療記録上問診した事実をうかがわせる記載が一切ないなどの事情に鑑みれば,問診は行われなかったものと考えられるとして医師の問診義務違反が認められたケース
東京地方裁判所 平成13年(ワ)第23558号 損害賠償請求事件
平成15年4月25日判決
【説明義務,問診義務,因果関係】
<事案の概要>
患者(昭和36年生,男性)は,平成12年9月1日,左耳前部が腫れて口を開けられない症状のため,被告病院(大学病院)耳鼻咽喉科を受診し,蜂窩織炎の疑いがあるとして,CT検査を実施することになった。担当医師(放射線科)は,同月5日,単純CT検査を実施した後,非イオン性ヨード造影剤を用いたCT検査を実施しようと,患者に対し,造影剤を注入したところ,患者は,造影剤の副作用であるアナフィラキシー様ショック症状を起こした。
患者に対する救命処置がとられたが,患者は,翌6日午前1時5分に死亡した。
患者の妻が,被告病院を開設している法人及び担当医師に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。
請求金額 | 7392万0414円 | ||||
結 論 | 一部認容(認容額5252万1173円) | ||||
争 点 | ①担当医師に問診を怠った過失があったか ②問診を怠った過失と死亡との因果関係の有無 | ||||
認容額の内訳 | ①逸失利益 | (4648万1760円),死亡慰謝料(2600万0000円)のうち患者の妻相続分4832万1173円 | |||
②葬儀費用 | 80万0000円 | ||||
③弁護士費用 | 340万0000円 |
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