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内科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

開放性骨折に対する抗生剤の使用方法について,セファメジンとアミノグリコシド系抗生剤を併用投与すべき注意義務があったとして医師の過失が認められ,過失と患者の死亡との因果関係も認められたケース

 

大阪地方裁判所 平成14年(ワ)第6586号 損害賠償請求事件
平成17年12月21日判決 控訴
【治療方法・時期,因果関係】

<事案の概要>

患者(昭和46年生,男性)は,平成11年9月18日,トラックから荷下ろしの作業中,落ちてきた重量約250kgのポンプで右足が下敷きとなって,膝上約10cmの肉が裂け,踵が裂けぶら下がっているような状態になった。患者は,甲病院へ救急搬送され,X線検査の結果,大腿骨,腓骨,脛骨に骨折が確認された。同院の手術室に空きがなかったっことから,患者は,被告病院(公立病院)に転送された。

被告病院のA医師(整形外科)は,右踵部(足底)に約10cmの剥脱創,右大腿部に約7cmの内側広筋の筋断裂を伴う挫創を認めたため,これを洗浄・縫合し,創部感染予防に抗生剤セファメジンを投与し,骨折については経過観察とした。A医師は,右下腿については,コンパートメント症候群(筋膜で覆われる筋区画内部の圧が浮腫・出血などで亢進することで生じる病態)の発症を疑い,症状が急変する可能性を考え,患者を入院させた。9月19日夜,患者に,疼痛の増強と39.1度の熱発が生じ,20日,血圧が60㎜Hgまで低下し,血液検査でCRPや白血球の増加等が見られたことから,患者はICUに転棟となった。

救急診療科のB医師は,CPKが著増し,ドレーン排液が筋壊死成分由来と思われる臭気を帯びていたことなどから,大腿部筋挫滅壊死,大腿部コンパートメント症候群,圧挫症候群による全身状態の悪化と細菌感染症の可能性を考え,動脈血等の細菌培養検査を実施した。21日,右大腿部減張筋膜切開術が実施され,患者は一時的に意識や循環動態が改善したが,再び血圧が低下するなどした。B医師が開放創を観察したところ,内側広筋は壊死に陥り,同筋層内に新しくない黒色の壊死部が認められ,大腿から腰部に上向していた紫色皮膚変色部分は,右側腰部から腋窩部にまで達していた。B医師は,感染の合併が,全身状態悪化の大きな因子となっていると考えた。22日,患者に対しカコージンやボスミン(ともに昇圧薬)が投与されたが血圧は30台で,状態はさらに悪化し,同日,患者は死亡した。28日,21日に採取された動脈血からエロモナス・ヒドロフィラ菌が検出された。

患者の両親が,被告病院を経営する地方公共団体に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計8222万2260円

結  論

一部認容(認容額 2名合計5928万6540円)

争  点

①患者が死亡した機序
②コンパートメント症候群の発症を看過し,減圧術の実施が遅れた過失の有無
③細菌感染防止のための早期治療を怠った過失の有無
④死亡との因果関係の有無

認容額の内訳

①逸失利益

2828万7199円

②死亡慰謝料

2000万0000円

③遺族固有の慰謝料

各200万0000円

④葬儀費用

各34万9670円

⑤弁護士費用

各265万0000円

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