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内科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

血液濾過透析を施行するためカテーテルを心臓方向に向けて挿入した際,カテーテルの留置位置を慎重に確認し,カテーテル先端部が心筋を穿孔して心タンポナーデを合併する危険性がある位置にカテーテル先端部を留置しないよう注意すべき義務を怠った過失が認められたケース

 

大阪地方裁判所 平成14年(ワ)第9797号 損害賠償請求事件
平成16年2月16日判決
【手技】

<事案の概要>

患者(昭和30年生,女性)は,平成12年1月25日,劇症肝炎の疑いで,甲病院から被告病院(大学病院)の高度救命救急センターに転院した。患者は、被告病院で,劇症肝炎(B型)及び腎不全と診断され,同月26日,意識障害,羽ばたき振戦などの肝性脳症の症状が現れ始め,犬山分類Ⅱ度であったため,血漿交換のほか,腎不全につき,CHDF(緩徐持続的血液濾過透析)が開始された。

その後,肝性脳症が,犬山分類Ⅲ度にまで重症化したため,他大学病院と相談の上,生体肝移植実施の準備が進められた。

A担当医師は,患者が引き続きCHDFを行う必要性が高いと判断し,同月31日午後7時46分ころ,カテーテル(脱血孔がカテーテル先端部よりも数cm手前にあるサイドホール型カテーテル)挿入部位をそけい部から内頚静脈に変更し,上大静脈内やや浅めに脱血孔を留置し,胸部レントゲン写真撮影でカテーテル先端部の位置を確認し,CHDFを行った。

当直のB医師は,A医師から,同日午後8時ころ,カテーテル位置の引継を受けたが,間もなくCHDFが脱血不良を数回起こしたことから,カテーテルの脱血孔を流血量のより多い位置へ移動させることとし,右心房の方向に移動させ,十分な脱血量を得ることができたと考えた位置に留置したが,胸部レントゲン検査をしてカテーテル先端部の正確な位置を確認することはしなかった。

以後,CHDFを継続したが,同日午後11時58分ころ,患者の血圧が急激に低下し,翌2月1日午前0時3分心停止に至った。同日午前0時10分ころ,心エコー検査で心タンポナーデを引き起こしていることが確認されたため,経皮的ドレナージの後,同日午前0時17分ころ,緊急開胸手術によって,ドレナージ及び心臓マッサージが行われ、同日午前O時22分ころ,拍動が再開した(心停止時間約20分間)。

同日午前5時30分ころ,患者の開胸止血手術を行い,右心房底部に穿孔を認めたため,カテーテル先端部で患者の右心房底部の心膜内壁に穿孔が生じ,これに起因して心タンポナーデを合併し,低酸素脳症を発症して遷延性意識障害に陥ったものと判断された。患者の障害は現在まで残存しているが,劇症肝炎及び腎不全は,治癒した。

患者が,被告病院を開設する国に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計 1億3948万5670円

結  論

一部認容(認容額 合計1億2997万7400円)

争  点

①カテーテル操作手技上の過失ないし義務違反
②経過観察上の過失ないし義務違反
③経過観察を怠ったことと後遺障害との因果関係

認容額の内訳

①医療費

234万1550円

②親族付添看護費(症状固定日まで)

264万5500円

③入院雑費(症状固定日まで)

35万4162円

④親族付添看護費(症状同定後)

3694万0482円

⑤休業損害 

181万4702円

⑥逸失利益 

4675万1004円

⑦入院慰謝料

313万0000円

⑧後遺障害慰謝料

2700万0000円

⑨弁護士費用

900万0000円

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