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循環器内科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

腹部大動脈瘤等を発症している患者に対して,我が国で初めて腹腔鏡補助下術を実施したことについて,担当医師に術式選択につき注意義務違反があったとは認められず,術中の手技にも注意義務違反はないとされたが,術前の説明内容に不十分であったとして自己決定権侵害の限度で請求が一部認容されたケース

 

大阪地方裁判所 平成14年(ワ)第12331号 損害賠償請求事件
平成17年1月26日判決 確定
【説明・問診義務,適応,治療方法・時期,因果関係】

<事案の概要>

患者(昭和3年生,男性)は,歩行時の下腹部痛を訴え,平成12年6月,かかりつけ医を受診し,CT検査の結果,腹部大動脈瘤と診断され,被告病院(大学病院)心臓血管外科を紹介された。

同年9月6日,患者に対しCT検査が実施され,検査の結果,腹部大動脈瘤最大短径38㎜,下腸間膜動脈分岐部から右総腸骨動脈まで血栓(+),右総腸骨動脈瘤最大短径28㎜,右内腸骨動脈近位部の瘤状拡張,左総腸骨動脈瘤最大短径32㎜,左内腸骨動脈近位部で正常になった後に瘤を形成との所見が得られた。

主治医のA医師は,患者に対し,内視鏡を使った手術を行うこと,動脈瘤が破裂したら命が危ないことなどを説明をした。同月14日午前9時50分から翌15日午前2時にかけて,患者に対し,腹部大動脈瘤及び両側総腸骨動脈瘤に対する腹腔鏡補助下人工血管置換術が実施されたところ,術中,患者の足背動脈が触知不能となり,下肢虚血が疑われたため,当初予定した手術に加えて両下肢血栓除去術が実施された。

患者は術後,血圧,尿量の低下,ドップラーで両下肢とも内踝,足背動脈血流の確認ができず,末梢の冷感が続き,色調も青紫へ悪化した。患者に対し,抗血栓療法が実施され,右下腿減張切開術が実施されたが両下肢の皮膚色が徐々に悪化し,同日午後8時の時点で,減張切開に明らかな効果は認められなかった。

その後,患者は意識がなく,手を握っても冷たい感じで,左の肩から腹部まで紫色のあざが何か所も見られ、色調の悪化が進行して腹部へ上昇し,FOYの使用が開始されたが,全身状態は改善せず,9月18日午前2時15分,患者は,多臓器不全(MOF)により死亡した。

患者の家族(妻及び子)が,被告病院を経営する国立大学法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

合計4814万2828円

結  論

一部認容(認容額 3名合計220万円)

争  点

①腹腔鏡下術を選択したことに注意義務違反が認められるか
②下肢血流確認を怠り,手術を続行した注意義務違反が認められるか
③説明義務違反の有無
④因果関係の有無

認容額の内訳

①慰謝料

200万円

②弁護士費用合計

20万円

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