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循環器内科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。
患者の感染性脳動脈瘤の原因となった感染性心膜炎の検査・診断・治療を怠ったとして,担当医師らに対する損害賠償請求が認容されたケース
東京地方裁判所 平成10年(ワ)第23906号 損害賠償請求事件
平成14年11月21日判決
【検査,治療方法・時期,因果関係】
<事案の概要>
患者(昭和50年生,男性)は,平成7年4月25日に被告病院(総合病院)を受診し,内科のA医師及びB医師によって大動脈弁閉鎖不全症と診断された後,同年7月28日被告病院に入院し(「第1回入院」),同年8月1日に心臓カテーテル検査(「本件心臓カテーテル検査」)を受け,同月5日被告病院を退院した。その後,従前から見られていた心雑音(拡張期逆流性雑音)以外に訴えはなく,血液生化学検査やトレッドミル運動負荷試験でも異常所見はなかった。
患者は,平成8年1月16日,鎖骨付近の痛みを訴えて甲整形外科を受診し,炎症所見が認められるとともに,リウマチ反応が±と判定され,同月30日には蕁麻疹と発熱の症状を訴えて乙医院を受診し,抗生剤の投与を受けた。同年2月7日、患者は被告病院を受診した際、B医師にその経緯・症状等を伝えたが,同日には解熱し,血液検査でも特段の異常所見は見られなかった。
平成8年2月,3月には蕁麻疹の症状,CRP値(炎症反応)の上昇が見られたうえ、患者は背部痛を覚えたことから,被告病院整形外科を受診し,C医師(整形外科)が患者の背部痛や下腿部痛の治療に当たるようになり,同年5月9日には腰痛により被告病院に緊急入院した(「第2回入院」)。その際,担当医であったC医師は,心臓カテーテル検査後の細菌感染を心配した患者の母から、B医師と連携して治療に当たるよう依頼された。C医師は,患者に発熱があったため,抗生剤(パンスポリン)の投与を開始したが,その後も患者の腰痛・微熱は持続し,炎症反応が認められたほか,体重減少,体力・持久力の低下,関節の腫れなどの訴えがあり,同年5月16日には,リウマチ反応が異常値を示した。C医師は,各種検査を実施したものの,患者の症状の原因を特定するに至らなかった。その後,発熱や炎症反応とともに腰痛も改善し,腰椎の破壊が進んでいないことから,患者は同年7月27日に被告病院を退院した。
患者は,同年8月,9月に被告病院整形外科を受診し,腰痛に加えて,夜間の発熱を訴えるとともに,軽度の炎症反応上昇が見られたことから,抗生剤(パンスポリン)の投与が開始され,同年10月7日,発熱と腰痛の悪化により,被告病院整形外科に再入院した(「第3回入院」)。C医師は,化膿性椎間板炎の再燃を疑い,抗生剤(セファメジン)の投与を継続した。同年10月16日にはB医師が患者を診察し,同月7日に腰椎椎間板炎のために整形外科に入院したこと,発熱が見られたが,症状は軽快していること,生検の結果侍ちであることなどを聞いた。
しかし同年10月24日,患者は左中大脳動脈癌(「本件脳動脈瘤」)破裂によるくも膜下出血により転倒し,丙病院脳神経外科に入院し,破裂した本件脳動脈瘤に対し,前頭側頭開頭クリッピング手術等(「本件クリッピング手術等」)が行われたが右上下肢機能の障害,言語障害,脳血管性痴呆等の障害が残った。同年11月の心エコー検査で,大動脈弁の疣贅及び僧帽弁瘤が発見され,感染性心内膜炎と診断された。
そこで,患者及び患者の家族(両親,兄)が,被告病院を開設する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。
請求金額 | 合計 1億9832万8475円 | ||
結 論 | 一部認容(認容額 合計 1億5283万7699円) | ||
争 点 | ①本件脳動脈瘤の発生原因 | ||
認容額の内訳
| 患者の損害
| ①治療費 | 39万9957円 |
②入院・入所雑費 | 86万1900円 | ||
③付添介護費 | 82万8000円 | ||
④装具・治療器具費用等 | 20万5741円 | ||
⑤家屋改造費用 | 58万5216円 | ||
⑥健康診断費用 | 1万7830円 | ||
⑦その他費用(診断書料) | 9450円 | ||
⑧調査料等(証拠保全の記録謄写費用等) | 109万1919円 | ||
⑨休業損害 | 41万8905円 | ||
⑩逸失利益 | 1億1041万8781円 | ||
⑪慰謝料 | 2500万0000円 | ||
⑫弁護士費用 | 1000万0000円 | ||
患者の家族(4名)の損害 | 各100万0000円 |
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