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泌尿器科における過去の医療過誤・医療事故の裁判事例。事案の概要・請求金額・結論・争点・認容額の内訳など。

慢性動脈閉塞につき,外科的療法を行わず,薬物療法による保存療法を選択しても,医師の裁量の範囲を超えたとはいえないとされたケース


大阪地方裁判所 平成13年(ワ)第9152号 損害賠償請求事件
平成14年11月29日判決
【説明義務,問診義務,検査適応,治療方法・時期,因果関係】

<事案の概要>

患者(昭和6年生,男性)は,30年前から糖尿病に罹患し,前医において糖尿病性腎症のため人工透析が開始され,閉塞性動脈硬化症と診断されていた。患者は,平成10年8月から,被告病院(総合病院)で,週3回程度,人工透析を受けていた。同年9月19日,心エコーで拡張能減弱が認められ,平成11年2月5日,動悸などの胸部症状の増強が認められた。患者は,両足尖部のしびれや痛みを訴え,右足には強い間欠性跛行が生じていた。

担当医師は,同月15日,患者に対して,心臓カテーテル検査(本件検査)を実施した。その後も,患者に右足趾のしびれ・冷感・疼痛が継続したことから,脈拍の触知や皮膚温の触診等の理学的所見がとられ,抗血小板凝集抑制剤による保存療法が行われた。

患者は,患者の右足趾がやや赤紫色に変色したことから,甲病院を受診し,入院した。甲病院において,右膝窩動脈の完全閉塞が発見され,血栓摘除術及び右下肢救肢目的のバイパス術が実施された。その際,閉塞性動脈硬化病変が認められた。

患者は,右下肢の冷感や変色はやや改善したものの,著明には血流が回復せず,右足趾の壊死病変が残存したことから,被告病院へ転送され,右足趾の切断術が施行された。

患者が,被告病院を開設する法人に対し,損害賠償請求訴訟を提起した。

請求金額

4921万6000円

結  論

一部認容(認容額35万円)

争  点

①患者に対し,本件検査の適応があるか。本件検査によって,右足の血管閉塞,足趾切断が生じたか否か。
②本件検査後に,下肢の動脈の拍動検査,API検査,血管造影検査を行い,閉塞状況が判明した場合には,血栓除去術あるいはバイパス術を実施すべきであったか。仮に上記検査及び手術を実施した場合,右足趾全部切断を回避できたか。
③担当医師は,患者に対して,本件検査について十分な説明をしたか。

認容額の内訳

①慰謝料

30万円(説明義務違反)

②弁護士費用

5万円

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